分散投資はもうダメでしょう

水瀬ケンイチ

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昨年2012年、某投資家交流会で、分散投資を強く否定するかたとお話したことがあります。

お互いにどんな投資をしているのか?という話をしている中で、私は国際分散投資のインデックス投資をしていますと言ったところ、くだんの彼が笑顔で「分散投資はもうダメでしょう」と言ってきました。彼の主張は、概ね以下のとおりでした。

(1) 分散投資でお金持ちになった人を見たことがない
(2) 分散投資は無知に対するヘッジであり、知識がある人にとっては意味がない
(3) アセット間の相関係数がかつてないほど高まったので分散効果はもはやない

なるほど。



その時の私は、テレビ番組の懐メロ特集を見て「ああ、あったあった」と懐かしむような心象風景でした。というのも、2008年のリーマン・ショック後、このような主張の書籍やブログが流行したことがあり、当時同じことを散々言われたり聞かれたりしていたからです。

基本的に私は、「市場の懐は深いのでいろいろな投資法で儲けることができる」と考えています。実際に昔は、インデックス投資ではなく、テクニカル分析やファンダメンタル分析の投資もやっていました。ただ、自分には手間がかからないインデックス投資が合っていると感じたから、その後インデックス投資を継続しているというだけです。

一方で、投資法うんぬんではなく、論理的に間違っていたり、一面的に決め付けすぎたりする主張は、ちょっとどうかなと思っています。くだんの彼の主張も、以下のようなテンプレ的な反論が思い浮かびました。


(1) 分散投資でお金持ちになった人を見たことがない
→見たことがないのと実際にいないのとは違う。個人の限られた経験を一般化しているだけでは?

<関連記事>
2007/09/09 「分散投資で金持ちになった人は本当にいるのか?」という素朴な疑問に対する個人的な答え (その2)

(2) 分散投資は無知に対するヘッジであり、知識がある人にとっては意味がない
→数学的な分散効果は投資家の知識の有無にかかわらず存在する(この際、ウォーレン・バフェットの言葉の丸パクリであることはスルーしてあげましょう)

<関連記事>
収益率とリスク - 数理ファイナンス[MathematicalFinance]

(3) アセット間の相関係数がかつてないほど高まったので分散効果はもはやない
→なぜ今後も相関係数が高止まりすると決めつけるのか。相関係数は時代によって正の相関から負の相関まで派手に動き回ってきたのに。

<関連記事>
2009/11/23 相関係数の誤解


関連記事がいずれも数年前の記事で申し訳ありませんが、本質的には変わっていないと思います。数年前当時はそれだけHOTな話題だったということだと思います。

投資家交流会のくだんの彼に私が何と言ったかですって?

そんなの決まってるじゃないですか。笑顔で「そうですよねー」です。
投資家交流会は異論を唱える相手を論破するためではなく、いろいろな意見を聞くために行ってますので。
どうか腹黒いって言わないでくだされ (;´∀`)


P.S
分散投資の反対は集中投資ですが、後で判明したところによると、くだんの彼はべつに集中投資はしていないそうです。なんのこっちゃ。
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Posted by水瀬ケンイチ