運用資産1000万円を超えると、毎年10万円以上運用会社に払っている

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日本の個人投資家にとって、インデックスファンドの歴史をざっと振り返るとこうです。

日本初のインデックスファンドは1985年に発売されましたが、その後、個人投資家向けのインデックスファンドは、日経平均やTOPIXなど国内株式ものばかりの時代が、10年以上続きました。国際分散投資に必須である先進国株式・新興国株式等のインデックスファンドは、確定拠出年金制度が導入された2001年以降に、やっと活発化してきました。

繰上償還や取り扱い廃止といった紆余曲折を経て、2013年現在、日本の個人投資家がまともにインデックス投資できるようになってから、ようやく10年ちょっとが過ぎようとしている段階です。


ぼちぼち出てきたインデックス投資家1000万円戦士


10年間インデックス投資をしていれば、初期投資額に加え、コツコツ積み立ててきた資金やボーナス資金の投入等により、資産額が1000万円を超えるインデックス投資家が出てきても不思議はないでしょう。実際、私のインデックス投資仲間では、資産規模が数千万円や1億円を超えるかたも、ぼちぼち出てきています。

資産額が大きくなってきたインデックス投資家を念頭に、あらためて運用コストである「信託報酬」について考えてみたいと思います。


運用資産が1000万円を超えても、信託報酬1%は安いと言える?


日本の投資信託の平均信託報酬は、年率1.5%(2012年末・モーニングスター調べ)です。投資本や投資ブログ等から得た知識から、これを「高い」と感じるインデックス投資家は多いでしょう。

インデックス投資家の間でもなぜか人気が高い「独立系投信」の信託報酬は、アクティブファンドでも年率1%程度に抑えられているものが多いようです。運用会社が自ら「低コスト」をPRしていますし、先ほどの平均信託報酬が年率1.5%であることもあわせて考えれば、年率1%程度は「まあまあ安い」と感じるインデックス投資家も多いようです。

同じように、運用会社側からも、あまりに安い信託報酬では運用会社の経営が成り立たず、運用会社・投資家が共倒れになってしまうといった懸念も聞こえてきます。以前、某ネット証券系のバランスファンド(インデックスファンドを組み合わせたもの)について、その設計に携わった有識者が、信託報酬年率1%でも運用会社としてはギリギリである旨を語っていました。

投資家も運用会社も、信託報酬は年率1%でギリギリ。本当にそうでしょうか?
私はちょっと違う感覚を持っています。

コツコツ積立投資を開始したばかりで、資産額が10万円とか100万円くらいのうちは、その感覚でもあまり問題にならないかもしれません。しかし、冒頭で紹介したように、資産額1000万円を超えてきても、果たして同じことが言えるでしょうか。

1000万円分の投資信託の信託報酬が年率1%だった場合、運用会社に払う金額は年間10万円です。年間10万円、ということは2年間投資していたら20万円、5年間で50万円、10年間で100万円です(当たり前ですが)。


リスク許容度を「率」ではなく「額」で考えるのなら……


ちょっと話がそれますが、よく「リスク許容度は率ではなく額で把握するべし」という話があります。個人的には率で把握した方がよいと考えていますが、額で把握したほうがリアリティがあるということで、額を推奨する専門家も多いようです。

「年間最大損失30%」と言われてもピンと来ない人でも、「年間最大損失300万円」と言われると「そんなのとても無理無理!」と実感できるということのようです。

もし、リスク許容度を、率ではなく額で把握する方が「しっくりくる」と感じるかたは、ぜひ、信託報酬についても率ではなく額で把握してみてください。

「信託報酬年率1%」というとまあまあ安いと感じるかもしれませんが、1000万円投資しているあなたは、運用会社に「毎年10万円を払っている」ことになるのです。運用をお願いする対価として、また、素晴らしいセミナー等の情報提供の対価として、毎年10万円を払う価値があると考えられるかどうか。どうでしょうか。


他の投資家の運用コスト実績をチェック


日本の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の平成24年度業務概況書によると、年間の運用コスト(個人向け投資信託の信託報酬等にあたる)は年率0.02%だったとのことです。年率0.1%以下!

まあ、世界最大級の機関投資家であるGPIFの運用コストと個人投資家の運用コストを並列で比較するのは、さすがに無茶かもしれません。

しかし、個人向け投資信託においても、たとえば米国バンガード社では、アクティブファンドの平均信託報酬が年率0.29%です。インデックスファンドを含まないアクティブファンドだけの平均がこの水準です。

日米で資産規模が違うとはいえ、日本の運用会社が個人向け投資信託の信託報酬について、年率1%で「もうギリギリ」と言うのは、もしかしたら「あきらめるのが早すぎ」ではないでしょうか。


自分のモノサシで考えてみよう


私のアセットアロケーション(該当記事)の期待リターンは年率で+4.6%に過ぎません(リスク=標準偏差は14.5%)。そこから信託報酬で年率1.0%引かれるということは、期待リターンの約2割を毎年自動的に失う計算になります。期待リターンを1%上げるために、どれだけのリスクを取らなければいけないのかを計算すると、これはいかにもダメージが大きすぎると感じます。

ちなみに、私が自分のポートフォリオのメインに据えている海外ETFの信託報酬の加重平均は、年率0.22%です。個人的には、データ的にも、10年間運用している実感においても、信託報酬年率1%を「まあまあ安い」とはとても思えません。

不確実なリターンに対して、コスト(信託報酬)はパフォーマンスを確実に引き下げます。運用資産が大きくなってきたインデックス投資家さんは、信託報酬の水準の妥当性について、いま一度、考えてみてはいかがでしょうか。
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積み立て投資を始めて6年が過ぎ、かなりの投資金額になった。 生活防衛資金の金額も超えそうだ。 ちょうど 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記) に

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