「もはや分散投資の効果はない」という主張の誤りが一目瞭然のグラフ

2008年のリーマン・ショックの時、様々なアセットクラスが同時に下落しました。そして、各アセット間の相関が高まったことを受けて、「もはや分散投資の効果はない」という主張が市場を席巻したことがあります。

これは誤った理解なのですが、当時は損失を抱えた投資家が多く、信じてしまう投資家が散見されました。(勢い余って、インデックス投資ブログのコメント欄に怒鳴りこんできたり……)

なぜ、「分散投資の効果はない」という主張が誤りなのかは、過去に何度か、「分散投資はもうダメでしょう」とか「相関係数の誤解」というブログ記事で書いています。

結論は、『分散効果を生み出す各アセット間の相関係数は、上下に変動するものであり、+1に張り付く(=分散効果ゼロ)ことはないから』です。言葉にするとこうなのですが、わかりやすいグラフを見つけたのでご紹介します。

日本株式(MSCI JAPAN)と先進国株式(MSCI KOKUSAI)の相関係数
日本株&先進国株の相関係数

日本株式(MSCI JAPAN)と新興国株式(MSCI Emerging)の相関係数
日本株&新興国株の相関係数

これらのグラフは、「コツコツ投資日記」のつばささんが作成したものです。(引用をご快諾いただきありがとうございます!)

ひと目でわかるように、相関係数は一定ではなく変動しています。年によってはマイナス(負の相関)にもなっていることがわかります。たしかに、リーマン・ショックの時(2008年頃)は相関係数が高い(+1に近い)状態でしたが、その後も上下に動きまわっています。

相関係数が+1に張り付き続けない限り、分散効果はなくなりません。これは、考え方の違いや個人の好みなどと関係なく、数学的な事実です。

たとえ損失を抱えた苦しい状況であっても、物事の本質を見誤らないようにしたいものですね。


P.S
そもそも論ですが、ここで言っている「分散効果」とは、「損をしないこと」ではなく、「期待リターンをそれほど下げずにリスクを下げることができること」です。過剰期待にご注意を。
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