いくらNISAを盛り上げたくても、不適切な説明はダメ

NISAの解説記事が増えてきましたが、「これはダメだ」と思われるものがありましたので、取り上げます。

日経電子版 2013/10/16
株価上昇率ゼロでもNISAで株式投資を

詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、記事の趣旨としては、株価上昇率がゼロでもNISAでの株式投資は銀行預金と比べたら有利だということを、データとともに解説しているものです。

NISAを盛り上げたい。投資経験のない人にも分かりやすくNISAの仕組みを伝えたい。そのような気持ちは、十二分に伝わります。しかし、こういう例えはいけません。

個別株に十分に分散投資をしながら、NISAを通じてやってみた場合の試算もしてみた。株価の上昇はいっさい見込まず、現在と同じ程度の配当利回り(年1.6%)だけが確保できたとする。

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(日経電子版 2013/10/16 より引用)



30年間、株価がいっさい動かないというありえない仮定を設定し、NISAで株式を運用した場合の「配当」と銀行預金の「金利」の積立効果を比較しています。

投資のことを説明する時に、説明を簡略化するため、「税金は考慮しないこととします」とか「手数料は考慮しないこととします」というような仮定を置くことはよく見かけます。しかし、これは説明すべき事象に対して、税金や手数料が与える影響がごく小さいから許されるわけであり、配当よりも影響がはるかに大きな株価変動をないこととするという仮定は、常識的に考えられません。

記事では、株式の配当利回りを年率1.6%と設定していますが、それに対して株価はどれくらい動くものなのか、実際のデータを見てみましょう。

TOPIX(配当込み)の年率リターン

2001年 ▲18.91%
2002年 ▲17.50%
2003年 +25.19%
2004年 +11.34%
2005年 +45.23%
2006年 + 3.02%
2007年 ▲11.11%
2008年 ▲40.62%
2009年 + 7.62%
2010年 + 0.96%
2011年 ▲17.00%
2012年 + 9.73%

いかがでしょうか?
株式というものは、配当利回りの年率1.6%なんて、消し飛んでしまうほど、上にも下にも激しく騰落するものです。

この値動きの大きさを無視して、「株価は動かないものとする」という仮定が、いかに意味がないものかがおわかりいただけると思います。意味がないだけでなく、投資のことを知らない一般のかたが、リスク(ボラティリティ)を考えずに、「NISAでの株式投資は銀行預金よりも有利じゃん!」と無邪気に誤解してしまう恐れすらあります。

日経新聞はよい情報を掲載してくれることが多いですが、時折、どういうわけかことさら配当や分配金等のインカムゲインを重視した解説記事を書くことがあります。元本が変動する資産クラスのインカムゲイン(株式の配当や投信の分配金など)と変動しない資産クラスのインカムゲイン(銀行預金の利子など)を、元本の変動を無視して比較しようとするので、気が抜けません。

言わずもがなですが、投資のリターンはキャピタルゲインとインカムゲインを足しあわせた「トータルリターン」で評価すべきものです。インカムゲインだけに着目した評価は、判断を誤るもとですので注意したいですね。


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