「日本株、バブル後の積み立てがプラス転換」という事実からわかること

日経平均株価が過去最高値だった1989年末以降に、毎月積み立て投資を続けていた場合、ついにプラス転換したそうです。

日本株の積み立て投資が報われたというおめでたい話なのですが、私は、実は別のことを示唆しているのではないかと思いました。どういうことか?

【日経電子版 2013/11/25より引用】
日本株、バブル後の積み立て投資がついにプラス転換

「長期でも積み立て投資でも報われなかった」と責められ続けた日本株。しかし実は最近の株価上昇で、23年前のバブル崩壊以降に日本株に積み立て投資した場合の評価額が、累計積立投資額に比べてプラス転換した。「株は長期」というセオリーが「復権」する兆しになるかもしれない。

日本株、バブル後の積立がプラス転換
【引用おわり】

まず、記事から読み取れる事実から書き記しておきます。

・1989年末から日経平均に毎月積み立て投資したら23年でプラス転換した
・日経平均自体は、現在も1989年末の4割の水準
・積み立て投資は一括投資するのに比べ、理論的には有利でも不利でもなく中立
・ジグザグしながら最終的に価格が上向く場合は、積み立て投資が有利になることが多い

記事では、ハッピーな感じで、デフレ脱却への期待とともに今後の積み立て投資への期待を述べています。これはこれで、積み立て投資結果の事例として覚えておきたいと思います。

ただし、個人的には手放しでは喜べません。

なぜなら、プラス転換と言っても、バブル崩壊後23年も経ってやっとプラスというのは、私たち長期積み立て投資家から見ても、「積み立て効果を誇るには、ちょっと遅すぎないかい?」と思うからです。

ここからは、別の資料からのデータになります。約2年前の日経電子版コラム『新年の計に「世界まるごと積み立て投資」』(2012/1/2)からの引用です。

50%をACWI、25%ずつを外国債券と日本債券にした場合

これは、1990年から毎月積み立てたケースですが、投資対象を、全世界の株式(MSCI ACWI)に50%、25%ずつを外国債券と日本債券とした場合のグラフです。(開始時期が1990年からと先ほどのグラフとは1か月違いますが、まあ誤差の範囲ということで)

グラフを見るかぎり、ずーっとプラスです。グラフ横軸の期間の最後が2011年初頭になっているからこんなもんですが、2013年11月現在まで引っ張ったら、もっと派手な右肩上がりグラフになっていたことでしょう。

何が言いたいのかというと、要するに、「積み立て投資の効果を、日本株だけで判断してはいけない」ということです。

最近は日経平均が好調なのであまり見かけなくなりましたが、ついこの間まで日経平均が20年以上軟調だった間は、ドルコスト平均法を基本にしたインデックス投資の効用について、日経平均が20年以上右肩下がりだったことを例に出して「ダメな投資法だ」と結論付ける意見をよく見かけました。

これは典型的なインデックス投資への誤解です。インデックス投資の基本はもともと「国際分散投資」であり、日経平均という「単一国の平均株価」だけに投資することを推奨していません。これは、23年経って日経平均への積み立て投資がプラス転換したから言い出したのではなく、最初からもともと「国際分散投資」でした。日本は、世界の株式時価総額の1割にも満たない極東の単一国に過ぎません。

<関連記事>
2011/05/09 インデックス投資への「過剰期待」と「過小評価」 その2

株式100%のポートフォリオの騰落と、株式と債券を組み合わせたポートフォリオの騰落を比較することは、フェアではないという意見もあろうかと思いますが、もともとインデックス投資は、株式と債券の組み合わせの妙を説いた投資理論に基づいており、インデックス投資の評価をするにあたって、株式100%(しかも極東の単一国)で判断する方がおかしいのではないかと考えています。

簡単にいえば、インデックス投資の解説で、あなたは日本株式100%、先進国株式0%、新興国株式0%、日本債券0%、外国債券0%、という推奨アセットアロケーションを見たことがありますか?ないでしょ?という話です。

さて、話を冒頭の記事に戻します。

「日本株、バブル後の積み立てがプラス転換(水瀬注:23年後)」という事実からわかることは、日経平均への積み立て投資が今後も有用だということではなく、「国際分散投資の積み立てなら最初からプラスだった」という別の事実との対比で、「積み立て投資もやっぱり国際分散投資が大切」ということだと思いました。

類似のデータを並べて比較すると、またちがったものが見えてくることがあるという事例でした。


P.S
1989年末から現在までの23年間で儲かったからといって、今後もそれが続くかどうかは保証できません。将来のことを正確に予想できる人など誰もいませんので。
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