上げ相場で自分のリスク許容度を超えていないか、いま一度チェック
水瀬ケンイチ

目下、相場が好調なようです。でも、こういう時こそ、調子にのって自分の「リスク許容度」を超えた資産運用をしていないか、厳しくチェックするべきだと思います。
リスク許容度とは、資産運用に伴い発生する損失をどの程度受け入れられるかの度合をいいます。リスク許容度には、「率」で把握する方法(年間○○%の損失まで耐えられるか)と「金額」で把握する方法(年間○○円の損失まで耐えられるか)があります。
<関連記事>
2011/06/18 リスクを「率」で見るか、「額」で見るか?
私たち資産形成世代の場合、資金を年々積み上げていきます。その条件下では、リスク許容度の「率」把握は、運用の自由度が高くアグレッシブになり、「金額」把握は、運用の制限が厳しくディフェンシブになるケースが多いでしょう。
個人的には、リスク許容度は「率」で把握する派なのですが、投資仲間の話を聞いていると、これはどうやら少数派のようです。
自分の考え方や性格に合わせて、どちらを採用してもよいとは思います。大切なのは、長い運用期間中に、損失に耐え切れなくなって、市場から退場せざるをえない状況を回避することです。
ただし、ダメなのは、相場が悪い時には「金額」把握で引き締め、相場が良くなってくると「率」把握に切り替えて投資金額を拡大するといった具合に、リスク許容度の把握方法を、相場が良い時と悪い時で変えてしまうことです。
上げ相場でリスク許容度が大きくなり、下げ相場でリスク許容度が小さくなるという方がたまにいらっしゃいますが、それは単なる「気の大きさ」であって、本当の意味での「リスク許容度」ではありません。
繰り返しになりますが、上げ相場の時こそ、自分のリスク許容度を超えた資産運用をしていないか、厳しくチェックしましょう。私もいま一度チェックします。
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