連日流れてくる「NISAおすすめ商品」がぜんぜん違う理由

悩む

いよいよNISAが始まりました。連日、NISAでは「あの商品が良い」「この商品がおすすめ」と様々な情報が飛び交っており、どうすればよいのか混乱されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ためしに、日経電子版で最近のNISA関連記事を5本をピックアップして、その記事が最終的に「何に投資するのをすすめているか」をまとめてみました。結果は以下のとおりです。(なお、おすすめのまとめ方は水瀬の独断によるものです。ご了承ください)

NISA関連記事のおすすめ商品(日経電子版より)


2013/12/29 NISA実質スタート 出口にらみ損しない運用を
すすめているもの:投信(若年世代は株式型、高齢世代は債券型)

2013/12/26 投資初心者、NISAでやってはいけない3カ条
すすめているもの:日本株(個別株・ETF・REIT)

2013/12/13 NISAでトクする投資 2つの秘訣あり
すすめているもの:投信(株式や債券に分散したバランス型・インデックス型)

2013/11/26 桐谷広人が選ぶ10銘柄、NISAで株主優待
すすめているもの:日本株(株主優待がある個別株)

2013/10/28 日本にない成長買う NISAで始める外国株投資
すすめているもの:外国株(個別株・ETF)

出てきたアセットクラスを横並びにすると、日本株・外国株・債券・REITとひととおりの種類が揃ってしまいます。商品を横並びにすると、個別銘柄・投信・ETFとこれもひととおりの種類が揃ってしまいます。

天気予報でいえば、「晴れのち曇り、所によりにわか雨か雷雨があるでしょう」みたいな感じです。要するに、「それ全部だろ!」という状況です。

ふつうに考えれば、同じ制度について最適な商品を考えているのだから、誰が考えても合理的にひとつの最適解にたどり着きそうなものです。しかし、各記事を見ると、ふざけているわけではなく、それぞれ大真面目に「NISAには○○がおすすめだ」と別々の主張しています。これはいったいどういうことでしょうか。


NISAの特性から導かれる最適商品はある……のか?


そもそも、NISAというのはどのような制度だったかを振り返ってみます。

◆NISAの概要(金融庁WEBサイトより抜粋)
制度対象者:20歳以上の日本国内居住者
非課税対象:上場株式・公募株式投資信託などの配当や譲渡益
非課税投資枠:新規投資額で年間100万円が上限(最大500万円)
非課税期間:最長5年間 ※期間終了後、新たな非課税枠への移行による継続保有が可能
投資可能期間:平成26年~平成35年(10年間)
口座開設数:1人につき1口座

上記以外にも細かい決まりごとがいろいろあって複雑なのですが、本質的な特性を大胆に整理してしまうと、

(1) 期間内で儲けた人が得をする非課税制度
(2) ただし、損した人は「泣きっ面に蜂」な厳しい制度
  (損益通算不可、将来の課税額アップ)

という2点に集約されると思います。NISAのメリットを最大限に享受するためには、「非課税期間が終わった時に必ず儲かっていること」が必要です。

しかし、リスク資産に投資する以上、「必ず儲かる投資法」が世の中に存在しないのと同様に、「非課税期間が終わった時に必ず儲かっている投資法」も存在しません(2019年以降、毎年非課税期限を迎えます)。つまり、NISAの特性から導かれる最適解はないということになります。

だとすれば、取材を受けた識者や記者たちは、「NISAのおすすめ商品は?」と聞かれても、各々が普段よいと考えている投資法を当てはめて語るしかないのかもしれません。そう考えると、連日流れてくる「NISAおすすめ商品」がぜんぜん違うことも、話のつじつまが合います。

まあ、自社の儲けが大きな金融商品をセールスしているだけという不誠実な輩が紛れ込んでいる可能性も否定できませんが……。


では、どう考えればよいのか?


とくに誰かが嘘をついているわけでも、誰かが本当のことを言っているわけでもありません。どこかに最適解を持っている人が隠れているわけでもありません。連日のNISAおすすめ情報を丹念に調べても、更にいろいろな商品が出てきて、ますます混乱するだけです。

では、私たち個人投資家はどう考えればよいのでしょうか?

NISAに最適な投資法や商品を探すのではなく、今、自分がやっている投資法や商品に、NISAをどう活用できるかを考える方が有意義だと思います。

<関連記事>
2013/12/15 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー流「NISAの考え方のキモ」

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