ETFの乖離問題についてのよくある誤解

国内ETFの「基準価額と市場価格の乖離」(2013年12月末)
(2014年1月3日 国内ETFの「基準価額と市場価格の乖離」(2013年12月末時点)、先進国株式インデックス連動の1581がまさかの暴走より)

当ブログでは、上記のような主要国内ETFの「市場価格と基準価額乖離率」を定期的に取り上げています。グラフは、モーニングスターやiSharesのWEBサイトのデータを元に、私が個人的に集計して作成しているものです。

ありがたいことに多くの個人投資家さんに参考にしていただいているようですが、しばしば、同じようなご批判をいただきます。それは……

「ベンチマークが異なるETFを比較して優劣をつけるのは不適切である」

というものです。

人によって、「ベンチマークがMSCIコクサイのETFと、MSCIエマージングのETFを比較するのは不適切」という意味だったり、「同じMSCIコクサイ連動ETFでも、ベンチマークが“配当込み指数”と“配当除く指数”で違う場合は比較するのは不適切」という意味だったりするようです。

ご指摘されたいお気持ちは、なんとなく分からないでもありませんが、結論から言うと、

「いずれも適切です。ベンチマークは関係ありません」

となります。私が毎月ブログで問題にしているのは、国内ETFの「市場価格」と「基準価額」の乖離であり、批判者の方々が問題にしている「ベンチマーク」とはいっさい関係がないからです。

は?どういうこと?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんので、少していねいに説明したいと思います。

まず、ETFには以下の3つの価格があります。

(1) 市場価格: 株価のように取引所で売買成立した価格
(2) 基準価額、NAV: ファンドが保有している株式や債券などの資産の価値
(3) ベンチマーク:株価指数や債券指数など、ファンド運用の目安や運用成果を測るための基準

私がブログ記事で問題にしているのは、(1)と(2)の乖離です。これは言わば「市場の値付け」の問題と言えるでしょう。

それに対して、批判者の方々が問題にしているのはベンチマークとの乖離で、(1)と(3)の乖離、もしくは、(2)と(3)の乖離です。これは言わば「運用会社の腕前」の問題と言えるでしょう。

投資信託(インデックスファンド含む)は、(1)と(2)が必ずイコールなのですが、ETFは、仕組み的に(1)と(2)の乖離が発生する可能性があります。実際、先進国株や新興国株など、海外資産に投資する国内ETFが上場されたばかりの頃、(1)と(2)の乖離が大きかった(5~6%も割高だった)ことから、私はブログで継続ウォッチしています。

そこには、(3)のベンチマーク(配当有り無しを含めて)はいっさい登場しません。

ETFの乖離問題について、ETFの3つの価格を理解せず、混同して語られている場合が少なくありません。ご注意あれ。

なお、ETFの3つの価格については以下のWEBサイトに詳しいです。ご興味があればご参考になさってください。
http://www.nikkoam.com/products/etf/column/column03

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