若者がNISAを使わないのは、「お金」「成功体験」「関心」の3つのゼロが原因?問題はむしろ高齢者にあり

本日2月13日は今年から「NISAの日」になるそうです。でも、目下のところNISAの利用者が高齢者に偏っていて、若年層の資産形成支援という制度の狙いとズレているとの指摘です。

利用者の半数以上、高齢者に偏る――NISA、若者使わぬワケ、お金・成功体験・関心、3つの「ゼロ」(真相深層)
 1月に始まった少額投資非課税制度(NISA)。開始時点の口座開設数は475万件と、政府目標の約3分の1に達した。だが、利用者の半数超は60歳以上の高齢者。若年層の資産形成支援という制度の狙いと、実際の利用者に大きなズレが生じている。なぜ若者の利用は低調なのか。NISAの日(2月13日)に考えてみた。
(2014/02/13 日本経済新聞 朝刊2面)


日経記事では、NISA利用者が高齢者に偏るのは、いまの若年層の「お金」「成功体験」「関心」の3つゼロのせいだと指摘しています。しかし、私は若年層がNISAを使わないのは彼らのせいではなく、単に環境的な問題に過ぎず、もっと言えば、問題はむしろ高齢者層にあると考えています。

いったいどういうことでしょうか。

若者の「お金」ゼロについては、そのとおり

日経記事が若年層がゼロだと指摘する「お金」については、そのとおりだと思います。

金融資産ゼロ世帯は過去最高の31%に上り、20代が最も多いというのは事実です。NISA口座に入れられるのは株や投資信託などの「リスク性資産」(NISA口座に国債や預貯金は入れられない)なので、リスクを取って投資に回すことができるお金がなければ、NISA利用のしようがありません。

当ブログも、生活防衛資金(生活費の2年分が目安)が貯まらないうちは、投資自体をしない方が良いと考えています。準備ができていないのに、急いでNISAを利用するのはよくありません。


若者の「関心」ゼロについては、あたりまえすぎて違和感

一方、日経記事が若年層がゼロだと指摘するNISAに対する「関心」については、「え?あたりまえでは……?」という違和感を感じます。

前述のように「お金」がなければ、そもそもNISAへの「関心」などわくはずがありません。お金があってはじめて、「利率の高い預金はどの銀行?」「投資信託って何?」「株って儲かるの?」と金融商品に関心がわくのであって、何年働いても生活費の支払いで精一杯であれば、NISAなどというものに関心ゼロなのは当然の帰結です。

ただ、これは決して彼らのやる気がないということではないと思います。日経記事では、データを用いて20代をこう評しています。「相対的に収入の低い非正規労働者が多い世代。非正規労働者も2013年平均で労働者全体の36.6%を占め、過去最高だった。若者の投資余力は年々小さくなっている」
これは彼らのせいでしょうか。


若者の「成功体験」ゼロについては、何をか言わんや

そして、日経記事が若年層がゼロだと指摘する「成功体験」に至っては、何をか言わんやであります。

日経記事では、日経平均株価は1989年末に最高値をつけた後、長期低迷に陥り、今もピーク時の4割に満たないから、などと言っていますが、若年層にとっては本人たちの努力ではどうにもならない「環境問題」であり、率直に言って、これは私を含む現在の中高年世代に責任がある話です。

バブルに踊り狂って崩壊させ、長期にわたっていっこうに景気を上向けられなかった中高年世代のしわ寄せを、若年層がくらっているだけという構図です。それを「若年層の成功体験ゼロ」なんて、よく言えたものです。「中高年世代の成果ゼロ」と言い換えた方がよいのではないでしょうか。


あいまいなフレームワークは本質をぼかす

すこし話題を変えます。日経記事は、ロジック的にもいまいちだと思います。どういうことか?

若年層の「お金」「成功体験」「関心」の3つゼロという主張は、一見きちんとしていますが、話のフレームワークがおかしいと思います。お金がない→関心がない、というのは原因と結果であり、3つの観点で事象を網羅しようとするフレームワーク(例えば、「人」「物」「金」など)ではありません。ただの羅列です。

この調子でロジックを組むと、3つのゼロどころか、4つのゼロ、5つのゼロといくらでもネガティブなゼロが出てきてしまいます。「配偶者」「子ども」「持ち家」「責任感」……。まるで、「若者の○○離れ」ですね。

このようなあいまいなフレームワークは、本質をぼかしてしまいます。居酒屋で呑んだくれたオヤジの口から延々と出てくる仕事のグチとたいしてかわりません。


若者がNISAを使わないのは、むしろ高齢者の問題

冒頭の「問題はむしろ高齢者層にある」という話について書いておきます。カチンとこられる方がいらっしゃるかもしれませんので、できるだけていねいに書きます。

日経記事は、引用部分にはありませんが、「日本の家計の金融資産は約1600兆円。このうち約1000兆円を60歳以上の高齢者が持つ。若者の投資を後押しするには上手に資産の世代間移転を促す仕組みも必要になってくる」と結ばれています。

そのとおりかもしれませんが、日本の高齢者は、仕組みがないと何もできないのでしょうか。私はそんなことはないと思います。個々の高齢者には「意思」があるはずです。

「ライフプラン」という言葉があります。一般的に、若年層が今後の長い人生でどの時期にどのくらいのお金が必要なのかの目処を立て、それに備えながら生活していくためのものだと思われています。でも、高齢者層にも、ライフプランは必要なものだと思います。

若年層のライフプランは主に「お金を貯める」プランですが、高齢者層は主に「お金を使う」プランです。もちろん、人生を楽しむという目的もあるでしょう。加えて、「金は天下の回りもの」といって、経済はその血流であるお金がぐるぐると回ってこそ活性化します。消費されたり、投資されたお金によって経済が活性化し、それが付加価値やイノベーションを生み、さらに世の中を豊かにします。

相対的に大きな資産を保有しつつ、若年層がもはや諦めさせられている年金を満額で貰っておきながら(しかもマクロ経済スライド未実施で貰い過ぎ)、いつまでも「不安だ、不安だ」と言って、預貯金をためこみ続けるのは、経済を停滞させる大きな要因です。これでは、いつまでたっても若年層は「成功体験ゼロ」環境のままです。


高齢者が貯めこんだお金の行き先は、若者ではなく見知らぬ高齢者

一説によれば、日本の高齢者は平均3000万円以上のお金を残して亡くなっていくそうです。「そういう高齢者のお金は相続税によって国に徴収され、結局、若者世代に回るのでべつにいいではないか」という意見もたまに見ますが、それは少し間違っています。

相続税として徴収されたお金は、若者ではなく「次の高齢者」に回るだけです。相続税が若者に回るというのなら、既に超高齢化社会を迎えている現在でも、相当のお金が若者に回っていなければ、話の辻褄が合いません。なのに、世代間格差は広がるばかりです。

高齢者の皆さまにおかれましては、一生懸命貯めてきたご自身の財産を、自分より少し若いだけの見知らぬ高齢者にもっていかれてよいのでしょうか。私だったらそんなのは嫌です。家族や世の中のために使いたい。


活きたお金の使い方

若年層にNISAを使えと言う前に、ご自身がライフプランを立てて、人生に必要な金額の目処を立て、余ったお金はどんどん消費、投資、寄付などをしていきませんか。

それらで経済が活性化すれば、日経記事が若年層はゼロだと断じた「お金」「成功体験」「関心」は、全員とは言わないまでも多くの若年層にとって、自然に身近なものになっていくと思います。

たとえば、ご自身の子どもや孫たちに、「100万円あげるから、これをNISA口座に入れて10年間お金の勉強をしなさい」くらい言ったら、とてもカッコいいと思います。それは、子どもや孫たちのためにも、ひいては日本経済のためにもなると思います。お金の「活きた使い方」を考えてみませんか。

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