「生命保険の嘘」(後田亨・大江英樹著)は保険と行動ファイナンスのコラボ本

水瀬ケンイチ

「生命保険の嘘」(後田亨・大江英樹著)を読みました。この本は、「保険」と「行動ファイナンス」という一見別物のように見える分野のコラボ本でした。

生命保険の嘘: 「安心料」はまやかしだ生命保険の嘘: 「安心料」はまやかしだ
後田 亨 大江 英樹

小学館 2014-01-14
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行動ファイナンスは、その名のとおり「投資」の文脈で語られることが多いです。私も過去に行動ファイナンスの本を何冊か読んでいます。少し古いですが、「人はなぜお金で失敗するのか (日経ビジネス人文庫)」(ゲーリー ベルスキー・トーマス ギロヴィッチ著)、「図解でわかる ランダムウォーク&行動ファイナンス理論のすべて」(田渕直也著)などです。

当時は、「人々は必ずしも合理的に行動しないので、効率的市場仮説は正しくない」という、効率的市場仮説への反証の意味で、よく取り上げられていたように思います。

著者の大江氏は、そのような行動ファイナンスをいろいろな分野に応用して、わかりやすく説明しています。昨年受講したセミナーでは、「消費者心理」に応用していました(該当記事)。今回は、それを保険に応用しています。これがまたピタリとはまっています。

詳しくは本書をお読みいただきたいのですが、保険会社は、商品設計からCM、営業方法に至るまで、人々の「心のクセ」を巧みに利用してきたようです。まるで、行動ファイナンスという分野自体がまだなかった時代から、保険会社は行動ファイナンスを知っていたかのような、当てはまりっぷりです。

共著者の後田氏は保険について、いくら合理的な説明をしても、不合理な選択をする人が跡を絶たないの見て、「理屈では感情に勝てない。保険について伝える方法を変える必要がある」と言っています。

本書では、人々が共通に持っている心のクセを利用(悪用?)して、保険会社が仕掛ける罠を解説しています。保険は、人生において、家の次に高い買い物だと言われることもあります。つまらないミスで大きな損をしないよう、備えたいと思います。

余談ですが、私もインデックス投資において、行動ファイナンスを利用しています。ただし、本書のように「心のクセに気をつけて合理的に振る舞おう」という方向性ではなく、まったく逆の発想です。非合理な心のクセを逆手にとって、投資を続ける「仕掛け」を作ってしまおうというものです。

人類共通の心のクセはなかなかに強力で、大いに役立っています。ご興味があればご笑覧ください。

2011/11/10 非合理な自分を逆手にとって投資を続ける「仕掛け」を作る
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Posted by水瀬ケンイチ