愛国心がある投資家のアセットアロケーション(資産配分)は日本株100%じゃなきゃダメ?

先日、なんとなく昔のことを思い出してつぶやいたツイートが、意外と反響があったので取り上げてみます。


数年前になりますが、某投資家交流会でアセットアロケーション(資産配分)が話題になりました。たまたまかもしれませんが、その場にいた方の大半が、さわかみファンド、ひふみ投信などの独立系投信を熱く応援する投資家でした。

例示した投信は、当時から現在までほぼ日本株で運用されています。そして、濃淡はあるものの、投資で日本を良くしていくという志を併せ持っています。それはそれで素晴らしいことだと思います。良いと考える日本の会社に投資をして応援する。何も間違っていません。

でも、当時の私のアセットアロケーションは、日本株が10%程度しかありませんでした(当時のアセットアロケーションはこちら)。彼らからすると、それがどうにもおもしろくなかったようです。

一方で、日本株だけに投資していれば世の中は良くなるのかといえば、そうではないような気もします。私の日本株10%というポートフォリオを、「日本国民としての誇りがない」と怒った投資家さんも、パンやガソリンを日常的に買っているはずですが、日本はエネルギー自給率4%、食料自給率39%程度しかありません。すべてを日本で賄うことはできませんし、また、そうすることは非効率です。

日本は「債権国」であり、海外に支払う金額よりも受け取る金額が多い国です。個人の資産運用においても、日本の国内に閉じて行なうだけでなく、広く海外のビジネスからリターンを得ていいはずです。

資本主義経済は、個々人の「豊かになりたい」と思う欲望をエンジンにして、資本家や企業により拡大再生産が行われるシステムです。うまくいくときもあれば暴走する時もありましたが、長期で考えれば強力にワークしてきたシステムであり、また、他に代替がない(その試みは失敗してきた)という意味で、どうしようもないけど愛すべきシステムだと思っています。

日本もまがりなりにも資本主義経済国です。みんな豊かになりたいと思っているでしょうし、そのために日本の商品・サービス提供企業にとらわれ続けるのは窮屈です。海外の商品・サービスでも良いものは良い。愛国心がある投資家は、日本株100%でなければいけない、あるいは、資産の大半を日本株にしなければいけない、というのは豊かな人生を送るためにはいかにも狭量な意見だと思います。

一般的な日本の個人投資家であれば、投資先の大半がMSCIコクサイでも、MSCIエマージングでも、そこで得たリターンはいずれ日本国内で使うことが約束されているようなものです。水瀬風に例えるとするなら、日本企業で長年働きつつ、給料の中から投資した「Vanguard Total World Stock ETF」(VT)で儲かったお金で、九谷焼のビールタンブラーを買い、梅屋敷商店街で買ったサッポロ黒ラベルをガンガン飲む。それでいいじゃないですか。

私も先のソチ・オリンピックやサッカーワールドカップでは、日本代表を熱烈応援した愛国心を持つ日本国民の一人です。日本の四季を愛で、歴史に学び、伝統工芸品を愛し、日本語のブログを書き、今後もずっと日本で生きていこうと考えています。一方で、海外のビジネスには積極的に投資していこうと考えています。

愛国心とポートフォリオの日本株比率を連動させる必要は、必ずしもないと思いますし、私は今後もこのスタイルでいこうと考えています。


<関連する過去記事>
2010/05/30 日本国民としての誇りはないのか

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