なぜ、個人向け国債は金利動向を無視していつでも同じ価格で売却できるのか?「そういう商品設計だから」ではダメ

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NISAをきっかけに投資をはじめたという学生さんから、個人向け国債についての質問をいただきました。

夜分遅くに失礼いたします。はじめまして、○○と申します。
投資の世界にニーサをきっかけにデビューしました。現在25歳で学生ということもあり、アルバイトのお金などほぼ8割を投資信託に回しています。(中略)

ところで、2013年5月29日の記事についてなんですが、金利が上がるにもかかわらず、国債10の価格は下がらないと書いてあります。普通、長期金利が上がると債券の価格は下がるのに、なぜ国債10が下がらないのかわかりません。


質問中にある2013年5月29日の記事というのは、『個人向け国債「固定3」だけでなく、「変動10」「固定5」も毎月発行へ』のことで、個人向け国債について書いたものです。個人向け国債は、私自身もかなり金額を投資をしている商品なので、回答してみたいと思います。
経済の基本原則として、「金利上昇=債券価格下落」「金利低下=債券価格上昇」という法則があります。教科書にも必ず出てくる基本原則です。それに反して、個人向け国債は、金利が上がろうが下がろうが、いつでも同じ価格で売却することができます(※)。これは何故なのか?という質問です。

まず、この質問を見て真っ先に思い浮かんだ答えが、「そういう商品設計だから」でした。経済の基本原則と、個々の金融商品は違うのだから、個人向け国債の商品設計をしっかり見てください、とつい言いたくなってしまいました。

だが、ちょっと待てよ? 妙に有利に見える投資商品について「何故だろう?」と疑問を持つのは真っ当であるにもかかわらず、その回答を「そういう商品設計だから」で済ませてしまうのは、実は危険な考え方ではないだろうか。

もし、「そういう商品設計だから」がまかり通るなら、「年利10%で1億円作れます」などとうたう投資商品があったとして(例えですよ、例え!)、ちょっと怪しいなと思っても、「そういう商品設計だから」で説き伏せられてしまうということにもなりかねません。

質問者が言うように、個人向け国債も債券であり、金利動向によって価格が変わるはずです。それが、いつも同じ価格で売却できるというのは、どこかに「無理」があるか、それができる「仕組み」が存在するはずだと考えられます。一歩踏み込んで、それをチェックしたい。

こういう時は、原典にあたるのがいちばんです。個人向け国債を発行しているのは、日本の財務省なので、財務省のWEBサイトをよく調べてみたら、「よくあるご質問」にこう書かれていました。

国債の満期より前に換金することは可能ですか

【答】
国債は、満期まで保有された場合には、額面で元本が償還されますが、満期前でも売却し、換金することが可能です。

(中略)

個人向け国債以外の国債の売却価格は、国債市場の状況によって変わりますので、売却時の価格の状況によっては、売却益が出ることもあれば売却損が出ることもあります。売却の価格については、金融機関等にお尋ね下さい。
財務省WEBサイト よくあるご質問より


個人向け国債とは何ですか

【答】
個人向け国債は、個人の方に購入しやすいよう工夫された国債です。主な特徴は、変動10年、固定5年、固定3年の3タイプから選べ、1万円から購入でき、一定期間が経過すれば請求に応じ国が買い取る中途換金制度がある点です。
(注)平成19年7月から特定贈与信託の受託者である信託銀行及び信託業務を営む金融機関も保有できるようになりました。
個人向け国債(「固定3年」、「固定5年」及び「変動10年」)は毎月募集及び発行を行っています(発行は募集月の翌月)。
財務省WEBサイト よくあるご質問より



つまり、個人向け国債「以外」の債券は基本原則どおり、金利によって価格は変わりますが、個人向け国債だけは、国が買い取ってくれる独自の「中途換金制度」があるから、いつでも同じ価格で売却できるというわけです。

これが「仕組み」です。個人向け国債が、金利動向を無視して債券価格が変わらないという荒業は、国の制度で担保されているのですね。

いろいろな金融機関が、独自の発行条件を付けた金融商品を作っていますが、その金融機関が破綻してしまうとどうなるか?というのはチェックすべき重要項目です。その点、国の制度というのはかなりの安心材料だと思います。

国なんて信用できないという方もおられるかもしれませんが、世界的に見れば、日本国の信用度は高い方だと考えられますし、米国以外で、これ以上の信用度を探す方が難しいかもしれません。

というわけで、素朴な疑問に答えるためにいろいろ調べて、自分でも勉強になりました。ありがとうございました。


(※)発行後1年経過後、直前2回分の利子(税引前)×0.79685を支払うことが条件。

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