消費増税はパフォーマンス押し下げ要因。対策はないのか?
水瀬ケンイチ

4月1日より消費税が5%から8%へ上がります。来年10月には10%へさらに上がる予定です。その影響で、インデックスファンドのコストも上がってしまいます。
具体的には、イニシャルコストである「販売手数料」と、ランニングコストである「信託報酬」に消費税がかかっています。この部分がコスト上昇してしまいます(信託財産留保額にはもともと消費税はかかりません)。特に、信託報酬の上昇は、ファンドのパフォーマンスの押し下げ要因になるので、頭が痛いところです。
増税はいやなものですが、今さら文句を言っても仕方ありません。なんとか対策はないのでしょうか。
インデックスファンドの販売手数料は、ノーロード(販売手数料ゼロ)のものを選べば、消費税増税を回避することができます。ゼロに消費税はかけられませんから。
問題は信託報酬です。信託報酬は、どの証券会社で買っても一律でかかってくるものなので、私たちが取れる対策があまりありません。
せいぜい、信託報酬ができるだけ低いインデックスファンドを選ぶ、ということくらいでしょうか。たとえば、信託報酬が年率 0.1%のファンド(信託報酬が低い)に 10%の消費税がかかると、年率 0.11%になりその差分は 0.01%です。一方、年率 2.0%のファンド(信託報酬が高い)に 10%の消費税がかかると、年率 2.2%になり、その差分は 0.20%にもなります。
まあ、できるだけ信託報酬が低いインデックスファンドを選ぶということは、インデックス投資家であれば普段からやっていることだとは思いますが。
消費増税により、低コストなファンドはより低コストに、高コストなファンドはより高コストに、その差が開くといったということでしょう。やはりコスト意識は大事ですね。
なお、上記は日本籍の投資信託の話です。私がメインで投資している海外ETF(IVV・EFA・VWOなど)や、外国籍の投資信託には、信託報酬に日本の消費税はかかりません。なので、4月1日以降も変わりません。
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