通貨選択型の投信を選ぶとパフォーマンスが悪いというデータ

2010年頃から「通貨選択型投信」が人気化しました。「○○ファンド」のあとに「ブラジルレアルコース」とか「トルコリラコース」などと書いてあるアレです。当時、毎月の分配金がよりたくさん出るということで、高齢者を中心に売れまくっていました。

その通貨選択型投信、その後のパフォーマンスが良くないようです。

ハイイールド債券ファンドの1年トータルリターンの推移(2011年4月~2014年4月)
ハイイールド債券ファンドの1年トータルリターンの推移(2011年4月~2014年4月)
※ 国内公募追加型株式投信(DC、SMA、ETF等除く)
※ モーニングスターカテゴリー「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)に属するファンド
出所:モーニングスター作成

(モーニングスター 2014/05/15 レアルの「選択」では8割が負け、仕組みで儲けるには限界ありより引用)

ハイ・イールド債券ファンドの事例で、ピンク色の線がシンプルな原資産のファンド、緑色の線が通貨選択型ファンドの「トータルリターン」です。

ここ1~2年は、通貨選択型のパフォーマンスが原資産のファンドを下回っています。つまり、通貨選択型という余計な仕組みをつけない方が、パフォーマンスが良かったというデータです。

「え?毎月の分配金は変わらずたくさんもらっているよ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、いくら毎月もらえる分配金が多くても、それはリターンの片輪でしかありません。投信の基準価額のリターンと合計した両輪の「トータルリターン」で見れば、上記のような結果になっているのです。

もちろん、2011年前半など通貨選択型のパフォーマンスが良かった時期もあり、一方的にダメだと言うつもりはありません。ただ、パフォーマンスが良かった昔と悪くなった現在、いったい何が原因でこうなったのか、わかりますか。

通貨選択型投信は、(1)投資対象資産のリターン、(2)為替ヘッジプレミアムによるリターン、(3)選択通貨の値上がりによるリターンの3つの収益獲得を目指した投信です。

例えば、「米国ハイイールド債券ファンド(ブラジルレアル建て)」を日本の銀行で買った場合、購入通貨は円、投資対象の通貨は米ドル、選択通貨はレアルになります。円と米ドルとレアル、それぞれの為替レートがどうなると、上記(1)~(3)のリターンがどのくらい上がるのか、もしくは、下がるのか。

投資家としては、そこは知っておきたいところです。もしわからないのであれば、「わからないものには投資しない」という投資の大原則に従った方が無難かと思います。

通貨選択型投信はその仕組みが複雑で、かつ、リスク(ボラティリティ)も跳ね上がることから、当ブログでは、世界の片隅からずっと警鐘を鳴らしてきました。今後も、通貨選択型投信の投資家が、「こんなはずでは……」ということにならないことを祈っております。

<過去の主な関連記事>
2010/08/13 債券投信はいいけど通貨選択型には気をつけて
2010/08/15 銀行の投信販売好調はいいですが
2011/07/21 毎月分配型投信や通貨選択型投信もいいけれど、売る方も買う方もしっかりしよう
2011/09/26 通貨選択型投信、特にレアル型がえらいことに…
2011/12/06 ブームが下火になってから規制しても遅い、通貨選択型投信
2012/01/27 毎月分配型投信・通貨選択型投信、ついに法規制へ


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