投信の管理手数料、10年で14%値上がり

水瀬ケンイチ

ここのところ、投資信託の「販売手数料」の方は無料化が進んでいると報じられていましたが(関連記事)、残念なことに、「信託報酬」の方は逆に上がっているようです。

【NIKKEI NET 2006/6/25より引用】
投信の管理手数料、10年で14%値上がり
 個人が投資信託を購入したあとに運用会社や販売会社に対して毎年支払う管理手数料(信託報酬)がじわり上昇している。3月末時点で販売されている投信の平均手数料は10年前に比べ、14%上昇した。新興国へ投資する株式ファンドなど管理コストが高い投信が増えたのに加え、運用会社間の競争激化で証券会社・銀行の収入になる信託報酬を引き下げにくい面があるためだ。
 信託報酬は運用成績にかかわらず自動的に徴収され、運用会社と販売会社の収益となる。米系の有力投信評価会社、モーニングスターの調査によると、3月末に販売されている投信の信託報酬の平均は契約資産の1.27%。10年前に比べ0.16ポイント上がっている。 (07:01)
【引用終わり】

「運用会社間の競争激化で証券会社・銀行の収入になる信託報酬を引き下げにくい面があるためだ」なんてさらりと書いてありますが、あきらかにおかしいと思います。
普通、競争が激化したら、価格は下がるものでしょう?
逆に価格が上がるとは、いったいどういうことでしょうか。

以前読んだ「投資戦略の発想法」(木村剛著)は「販売が主で運用は従、これが日本の投信の実態だ」と言っています。更に、「販売優先の理論で、投資家の立場など配慮されていない場合が少なくなかった」と指摘しています。

要するに、運用会社にとっては、販売会社がお客さんであって、投資家がお客さんではないのでしょう。
この歪んだ構造が、投資信託市場の競争が激化しているのに価格が高くなるという、不思議な現象を引き起こしているのだと思います。


構造問題なので、私たち投資家は黙って指をくわえているしかないのでしょうか。

私たち投資家ができることは、投資信託を選ぶ際に、きちんとコスト(販売手数料・信託報酬ともに)に目を配り、高コストの投資信託は、いくらパンフレットが豪華でも、いくら販売会社から勧められても、絶対に買わないようにすることです。

できることならば、信託報酬が2%とか3%もあるような投資信託を勧めてくる販売会社に対しては、まるで大根1本500円で売っている八百屋に対して主婦が吐き捨てるように、「高ぇよ、こんなの誰が買うかい!」と忠告してあげましょう(笑)

それは冗談としても、投資家側のコストに対する目が厳しくなってくれば、販売手数料・信託報酬が高い投資信託は徐々に売れなくなってくるはずです。
そして、販売会社は、競争に勝つためには売れる商品(=低コストの投資信託)も揃えざるを得なくなるでしょう。運用会社も、低コストの投資信託を組成することになると思います。

そうなれば、投資信託市場の競争が激化しているのに価格が高くなる、などという馬鹿げた話はなくなるのではないでしょうか。
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Posted by水瀬ケンイチ