日経田村氏のマネー記事についに計算式登場。これはデフレ脱却にむけたメッセージかも

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日経新聞田村正之氏といえば、著書「しぶとい分散投資術―世界金融危機でわかった!」や、日経電子版のマネーコラム「いつかは経済自由人!」で、データをふんだんに使ったわかりやすいマネー記事を書かれてきました。

ただ、昨日の日経電子版コラムは、ピリッとスパイスの効いたひと味違うコラムでした。

日経電子版 マネー底流潮流
2014/05/19 脱デフレで始まる株と為替の「オセロ的」転換

購買力平価からドル円相場を占うという恒例の解説に加えて、脱デフレにより物価上昇した場合に、株式市場がどうなるのか?に迫るコラムでした。

特にコラム後半では、株価を決める代表的な計算式として、

株価=期末のキャッシュ・フロー/K(割引率)-G(キャッシュフローの成長率)

という計算式が登場しました。一瞬、Kって何よ?Gって何よ?と戸惑いましたが、よくよく見たら、昔読んだバリュエーションの教科書に出てきた企業価値算定の基本公式、

企業価値(PV)=C/(r-g)

とほぼ同じでした。私の記憶が正しければ、C=キャッシュフロー、r=割引率、g=キャッシュフローの成長率のことだったかと思います。必ずしも厳密ではないものの、企業のM&Aの際などにおけるグローバル・スタンダード的な考え方であると学びました。

ただ、こういった欧米流の計算式は、長らくデフレ時代が続いた日本では、一般になじみづらかった面があるように思います。

デフレ環境下だと、自分で計算した割引率(r)が非常に小さくなってしまったり、うっかり計算式の分母(r-g)がマイナスになってしまったり、企業価値や株価がマイナスというよくわからん計算になってしまったり。そもそもの計算式の考え方と実態がいまいちピンとこない一因になっていたような気がします。

いつも直感的にわかりやすい田村氏の記事で、小難しい計算式が登場することは珍しいことです。もしかしたら、日本がデフレを脱却して、欧米と同じようなインフレ状態になったあかつきには、この計算式くらい知っておいてほしいという田村氏からのメッセージなのかもしれないなと勝手に受け止めました。

特に、「割引率」(あるいは割引現在価値)という考え方は、とても重要かつ応用範囲が広いです。

株や債券などの証券投資だけでなく、不動産や保険にも応用できます。言うなれば、なんでもスパッと切れる万能包丁みたいなものです。逆に、これを知らない個人は、長期にわたる契約等の局面において、業者にカモられやすいポイントでもあると思います。

私たちインデックス投資家も、割引率や企業価値の算定方法は、ググりまくるなり、関連書籍を読むなりして、知っておいて損はないと思います。それらは、インデックスの期待リターンの源泉にも通じるものですから。

<ご参考>
2007/05/04 「思考停止」から抜け出したい!(その4) MBAバリュエーション
2007/05/04 「思考停止」から抜け出したい!(その5) 道具としてのファイナンス



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