「新・投資信託にだまされるな!」(竹川美奈子著)は磨きがかかったオールラウンド投信本

水瀬ケンイチ

竹川美奈子氏の代表作「投資信託にだまされるな!」が、2007年の初版、2010年の改訂に引き続き、「新・投資信託にだまされるな!」として再び改訂されました。

新・投資信託にだまされるな! ---買うべき投信、買ってはいけない投信新・投資信託にだまされるな! ---買うべき投信、買ってはいけない投信
竹川 美奈子

ダイヤモンド社 2014-05-23
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「ダメ投信」の見分け方を皮切りに、投信の仕組みをわかりやすく解説し、「どの投信」を「どの金融機関」で「どのように買えばよいのか」がわかるようになっています。

世の中にオススメ情報は多いですが、ダメなものに関する公開情報は限られるものです。きっと大人の事情があるのでしょう。そういう意味では、ダメなものはダメだと言い切る本書のような情報は貴重だと思います。

本書の基本的な考え方は、2007年の初版から変わっていませんが、これはある意味、そこに書かれているのが骨太の真実であるということでもあると思います。

今回の改訂では、まず、ダメ投信の広告例が最新のものにアップデートされており、ちょっとマニアックな投信ブロガーから見ると、見事に「ダメ投信あるある」な感じに仕上がっています。その他にも、市場動向やファンド情報、期待リターンやリスクなどのデータは、すべて最新化されています。

本書は名前も数も売れているので、初心者向けの本だと思っている方がいらっしゃるかもしれません。たしかに、前半は、投信の仕組みや分散投資といった基礎的な知識から入るので、初心者の方でも読みやすいと思います。しかし、後半に、はかなり突っ込んだ知識も散りばめられています。

たとえば、投信のコストについては、信託報酬だけでなく、いわゆる隠れコストも含んだ「実質コスト」について書かれています。しかも、その計算方法は、投信ブロガーたちが使っている簡便法ではありません。他にも、実は買い方よりも難しい「売り方」についての考え方や、海外ETFの活用法など、初心者以外にも役に立ちそうな知識がさりげなく書かれています。

そういう意味では、本書はオールラウンドであり、これ一冊で広範な知識を得ることができます。さしずめ「バランスファンド型投信本」といったところでしょうか。
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Posted by水瀬ケンイチ