ETF投資にともなうリスク

水瀬ケンイチ

arrow-15589_640.jpg

ETFに投資する際の注意点に関する記事が、ウォール・ストリート・ジャーナル日本版に掲載されていたので取りあげます。

ウォール・ストリート・ジャーナル日本版
2014/08/12 ETF、身近にあるリスク―過剰取引やブーム追随に注意



詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、無理やりまとめるとこうなると思います。

  • 最も明らかな過ちは、ニッチなETFの急騰を追いかけること
  • ミューチュアルファンドの投資家はタイミングの悪い売買が原因で、投資先ファンドのリターンを平均年間2.5%ポイント下回るリターンしか得ていない。これは高い経費率よりも大きな影響だ
  • ETFの保有者は毎日欠かさず自分のアカウントにログインする確率がミューチュアルファンドの2倍以上
  • もしトレーダーがパニック時にポートフォリオ価値を下回る価格で売却する気があるなら、取引コストを節約できるのは誰か?長期保有者だ

ミューチャルファンド(日本でいう投資信託)と違い、リアルタイムで機動的に取引できるのがETFの特徴でもあるわけですが、頻繁に資産チェックをすることは、無用な取引をする気を起こさせ、そのせいで平均的にバイ&ホールド戦略よりも下回る結果になるというお話です。

リアルタイムに売買できるというETFの機動性が、バイ&ホールド戦略の場合マイナスになりかねないという話は昔からありました。それをデータで示されたという感じ。自分自身、ETFに投資している身として、さもありなんと思います。

上記記事は、米国の儲かりそうな話に飛びついた結果損するという方向性の話ですが、日本の場合、米国に比べて厳しい市場環境だったせいもあって、損したくないあまり結果的に損するという方向性の話もありそうです。

つまり、損を避けようとするあまり、少しの下落があるとすぐに「とりあえず撤退」「明らかに上げ相場になったら再び参戦するから」と言って、売却してしまう投資家が、結局アベノミクス相場のような急激な上げ相場に乗り遅れるという方向性の話の方が身近です。

たとえば、1980年から2008年の米国株(S&P500)の年平均リターンは約11%でしたが、もし、その29年間の中で上昇率が高かったわずか30日を逃していれば、上昇率は5.5%に急減します。(出所:「敗者のゲーム」チャールズ・エリス著)

バイ&ホールド戦略は、このようないわゆる「稲妻が輝く瞬間」を絶対に逃しません(一方で、時おり起こる暴落も必ずくらいますが)。

世の中には、投資タイミングをピタリと当てられるすごい方々が存在します。その一方、そうではないのに、「自分は投資タイミングを当てられる」という気になっているだけの方々が、それ以上に数多く存在するのも、上記データからわかります。

頻繁な売買は、それにともなう手数料と課税のマイナス、そして再参戦のタイミング誤りによる機会損失のマイナスと常に隣り合わせだということを、ETFに投資する投資家として、忘れずにいたいなと思いました。

関連記事


投資判断は自己責任でお願いします。当ブログの情報により投資判断を誤ったとしても、管理人は責任を負えません。また、当ブログ内容の無断転載を禁じます。

Posted by水瀬ケンイチ