いま、世の中に出回っているスマートベータの過去パフォーマンスは素晴らしいのに、「しばらく様子見」という結論にした理由

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前回の記事『スマートベータに対する山崎元氏の評価は「しばらくは高みの見物でいい」』の続きです。いま、世の中に出回っているスマートベータの過去パフォーマンスのデータは素晴らしいのに、「しばらく様子見」という結論にした理由を書いておきます。

楽天証券 山崎元「ホンネの投資教室」
2014/08/15 第227回 スマートベータをどう考えるか

山崎氏のコラムで引用されている、日経電子版田村編集委員の記事、

日経電子版 Money&Investment
2014/08/16 高収益で低コスト スマートベータ型投信を知る

そして、それらにさきがけて先週(繰り返しますが、先週です)私が書いたブログ記事、

梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー
2014/08/08 どのスマートベータがよいのかわかる?ランキング推移一覧表

じつは、上記3つの記事に共通している元ネタがあります。それが、

ニッセイ基礎研究所 基礎研REPORT 2014年8月号:Report II
2014/08/07 プロの技術をご家庭へ-基礎から学ぶスマートベータ

です。ニッセイ基礎研究所のレポートでは、スマートベータ登場の背景から、その中身について、データを豊富に使って解説されています。このレポートに掲載されているスマートベータのパフォーマンスデータ(出所:MSCI)を引用して、上記3つの記事はそれぞれの主張を展開しています。これが、いま世の中に出回っています。

私はこのレポートのデータが、言葉は少し悪いですが、「盛っている」可能性があると思いました。だから、出回っている過去パフォーマンスのデータは素晴らしくても、様子見だという結論にたおしました。

どういうことか? 私の拙い思考をトレースしてみます。

このレポート、スマートベータに対しては、いわゆる「ベタ褒め」です。特に、「全てのスマートベータが従来型指数の収益率を上回った」というタイトルの図表では、スマートベータの5つの戦略のリターン、および、リターン÷リスクの値(シャープレシオ的な指標)が、全てTOPIXを上回っているデータが印象的です。

そのような豊富なデータのなかで、私は「ランキング推移一覧表」がスパゲッティ・チャートっぽくておもしろいと感じたので、それをブログで取り上げようとしました。

しかしながら、その時に「ん?」と引っかかるものがありました。

「ランキング推移一覧表」の対象期間が、2000年~2013年であったのに対して、「全てのスマートベータが従来型指数の収益率を上回った」図表の対象期間は、1994年~2013年と微妙に6年間違っていたのです。データの出所は同じ MSCI と書いてあります。データはあるはずなのに、なんで6年間ズラしたんでしょうか? 私はこう思いました。

「もしかして、『全て上回っている』と言える期間を意図的に抽出したのではないか?」

よくある話です。アクティブファンドの販売用資料などによくある手法で、ファンドに都合がいい期間を切り出した、右肩上がりの素晴らしい過去パフォーマンス……。

こういうことをされると、データの信認が一気に失われ、急に気持ちが悪くなりました。「ランキング推移一覧表」のリターン・リスクのまとめデータとして、その下に続けて掲載されていた「全てのスマートベータが従来型指数の収益率を上回った」図表のデータをそのまま信じて使うのはアカンと思いました。

で、似たような調査期間のデータはないかと探して見つかったのが、半年以上前に自分でブログでとりあげた日経電子版(2014/02/02)の図表「スマートβの投資効率は…」です。データの出所は同じMSCIで、調査期間は2001年~2013年とほぼ同じです。これで見ると、各種スマートベータはTOPIXより良いものと悪いものがあり、玉石混交です。

このように、ニッセイ基礎研の「ベタ褒め」レポートは、少々「盛っている」可能性がある。調査期間も10年ちょいしかなく、今後も高パフォーマンスを継続することを保証するほどのものでもない。だから、素晴らしい過去パフォーマンスのデータをそのまま受け入れるのではなく、実際のパフォーマンスをよくウォッチした方がいいという結論にたおしました。

(どうしても採用したいのであっても、リスクを抑えるいちばん簡単かつ低コストな方法、「リスク資産への投資金額を抑えること」を念頭に置くようにと付記)

長々としょうもない後出しジャンケン記事を書いてしまいました。もちろん、今後、スマートベータがTOPIXをぶっちぎって高パフォーマンスを継続する可能性も大いにあるので、スマートベータはダメだといま決めつけるつもりもありません。今後、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、楽しみに注目していきたいと思います。


※単なる私の疑心暗鬼で、ニッセイ基礎研のデータがべつに「盛っていない」可能性もあります。でも、出所であるMSCIのデータを持たない個人投資家には確かめようがありません。独立した複数期間など、なにか合理的な対象期間でそろえた分析結果があれば、ぜひ見てみたいです。
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