日本でも低コストなインデックスファンド・シリーズが育ってきてうれしい!
水瀬ケンイチ

先日、三菱UFJ投信の「eMAXISシリーズ」が、日本のインデックスファンドシリーズとして初めて1000億円を突破したというニュースが流れてきました。
モーニングスター ファンドニュース
2014/08/12 品ぞろえと対話を重視した「eMAXIS」が初の1000億円突破
そのわずか10日後、今度は三井住友トラスト・アセットマネジメントの「SMTインデックスシリーズ」が、同じく1000億円を突破したというニュースも流れてきました。
モーニングスター ファンドニュース
2014/08/22 インデックスファンドシリーズ「SMT」の純資産残高が1000億円突破、品ぞろえと低コストが魅力
低コストなインデックスファンド・シリーズの規模拡大は、個人投資家にとってもうれしい話です。
インデックスファンドは低コストであるため、金融機関側があまりもうからない商品です(その分、投資家側の取り分が多いのですが)。
そのため、かつて日本ではインデックスファンドに資金が集まらない時代が続いていました。資金が集まらないので、インデックスファンドが突然繰り上げ償還になったり、販売会社がインデックスファンドの取り扱いを廃止したりという悲しい出来事がよく起こっていました。
10年前は、私も低コストなインデックスファンドを見つけてきては繰り上げ償還をくらい、見つけてきては取り扱い廃止をくらい、さんざん煮え湯を飲まされてきました。
<参考記事>
外国株式インデックスファンド放浪記(その1)
外国株式インデックスファンド放浪記(その2)
外国株式インデックスファンド放浪記(その3)
外国株式インデックスファンド放浪記(その4)
外国株式インデックスファンド放浪記(その5)
外国株式インデックスファンド放浪記(その6)
ひとつのインデックスファンドの純資産が、100億円あると安心と言われています。それ以下でも、マザーファンドが大きければまあ安心だと思います。
逆に、純資産が数億円しかないインデックスファンドは、常に、繰り上げ償還のリスクにさらされていると思った方がいいです。繰り上げ償還は、望まないタイミングでの損益確定になり、課税面でも不利です。できれば避けたいものです。
最近は、少しずつですがインデックスファンドが育ってきてくれて、滅多なことでは繰り上げ償還や取り扱い廃止になりません。それどころか、上記の「SMTインデックスシリーズ」などは、過去二度にわたって、純資産の拡大にともない信託報酬の「値下げ」までしてくれています。
インデックスファンドを運用・販売する金融機関の皆さまにおかれましては、実入りが少なく大変かもしれませんが、個人投資家の資産形成のインフラを担う有意義な事業として、今後もがんばってほしいと思います。
私もインデックスファンドのことやインデックス投資法について、世の中の人たちにもっと知ってもらえるように、微力ながら情報発信をしていきます。
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