毎月分配型投信の誤解解消? 投信のトータルリターン通知サービスの提供が始まる

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投信は分配金を出すと、その分基準価額が下がる―――。

この当たり前の事実を理解しないまま、「受け取った分配金はすべて利益」と勘違いした投資家が、分配金が多い投信をありがたがるというのはよくある話です。この誤解が、ついに解消されるかもしれません。

言うまでもなく、投信のパフォーマンスは、キャピタルゲイン(基準価額の損益)とインカムゲイン(分配金)を合計した「トータルリターン」で評価するものです。これは当たり前の話です。

当たり前の話であるはずなのですが、新聞やマネー誌などのメディアも、基準価額を無視した「分配金利回り」をことさら強調した投信ランキングを掲載するなど、上記の誤解を助長するような風潮がありました。

というか、記者本人が誤解していると思われるのではないかと疑われるようなケースも散見されました。その証拠に、天下の日本経済新聞にこんな記事が掲載されたこともあります。

2012/10/1 「トータルリターンという用語が近ごろ話題」って今ごろ何言ってるの!?

トータルリターンで投信を評価するという当たり前のことが、なかなか浸透しない理由のひとつに、「自分で計算しなければならない」ということがあると思います。

投信を途中で売買していなければ、計算としては、基準価額の損益 に過去受け取った分配金を足すというごくシンプルな計算です。

ただ、毎月分配型投信の場合、過去に受け取った分配金の回数が1年で12回、2年で24回、5年で……といった具合に回数がやたら多くなるので、分配金を合計するだけでも、かなり面倒くさいのは確かです。

金融当局も業を煮やしたのか、投信の販売会社(銀行や証券会社)に対して、2014年12月以降、投信のトータルリターンを通知することを義務付けました(形としては日本証券業協会の規則改正)。

投資家の誤解につけ込み、高コストな毎月分配型投信を売りさばいていた販売会社ほど、この通知義務に対応することを渋ったと思われます。そんななか、いち早くトータルリターンの通知をはじめる販売会社も出てきました。

■鎌倉投信
2014/02/17 My鎌倉倶楽部でトータルリターンが確認できます

■シティバンク銀行
2014/08/18 投資信託「トータルリターン通知」の開始および「投資信託に係る書類の電磁的交付に関する規程」改訂のお知らせ

■楽天証券 楽天証券からのお知らせ
2014/08/28 9月より「投資信託のトータルリターン」サービスの提供を開始します!!

トータルリターン通知制度は義務なので、いずれすべての販売会社が対応すると思われますが、いち早く取り組んだ販売会社は、それなりに評価してよいと思います。特に、鎌倉投信は2014年2月という早い段階からトータルリターン通知に対応しており、誠実な対応と言えそうです。

もっとも、これから始まるトータルリターンの通知が、本当に世の中の投資家たち(特に高齢者層)に伝わる方法なのか、まだわかりません。販売会社がいくら通知しても、預金通帳の入金(分配金)しか見ないという人もいるでしょう。

でも、誤解は解けるベクトル(方向)にあります。もしトータルリターンが世の中に浸透したとしたら、新聞やマネー誌が投信の「分配金利回りランキング」を掲載し続けるのかどうか、ちょっと見ものです。

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