NISA と DC に関する改善案を金融庁が公表

水瀬ケンイチ

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NISA と DC に関して、金融庁がなかなか良い改善案を公表しています。

金融庁 金融証券税制等について
2014/09/10 「家計の資産形成を支援する制度の在り方に関する調査」報告書の公表について

今後の金融庁における税制改正要望等の参考とするため、「家計の資産形成を支援する制度の在り方に関する調査」を野村資本市場研究所に委託したという形のようです。

そのNISA と DC の改善案とは……



NISAの制度改正案
・職域NISAの導入
・未成年への拡大
・非課税投資額を、教育、住宅取得等の目的に資する水準に
・5年の非課税期間の無制限化
・制度存続期間の恒久化
・口座内の資産の乗り換えの容認
・持株会へのNISA適用

DCの制度改正案
・拠出限度額の引き上げ
・「生涯拠出限度額」の考え方の導入
・マッチング拠出の「企業拠出以下」という制約の撤廃
・加入の制約を撤廃
・「困窮時引出」の導入
・特別法人税の撤廃
・「コア・ファンド」「投資ガイダンス」の導入
・運用商品の除外を可能に
(金融庁 「家計の資産形成を支援する制度の在り方に関する調査」報告書より引用)


このなかでも、NISAの「5年の非課税期間の無制限化」「制度存続期間の恒久化」は、当ブログでも、制度導入前から繰り返し要望しているところです。

そのせいで、現在のNISAは、毎年そこからちょうど5年後にプラスになっていそうな商品を予想しなければならないという、「本当の長期投資に向いていない」ものになっています。制度の趣旨から外れており、改善が望まれます。

<ご参考>
2013/12/15 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー流「NISAの考え方のキモ」

また、DC についても、「特別法人税の撤廃」などは、もはや「積年の課題」と言ってもよいくらい、昔から問題視されていますが、一向に改善されません。

DC の投資額全額に、年率で一律1.173%が課税されることを考えてみてください。これは、運用資産が毎年1.173%ずつ減っていくのと同じことになります。定期預金など元本確保型の商品を選択したかたは、間違いなく逆ザヤです。バカげているとしか言いようがありません。

こんな時限爆弾みたいな制度を抱えたまま、長期投資ができますかって話です。今のところ、「課税凍結」を繰り返していますが、根本的に撤廃してほしい。

それから、「マッチング拠出の「企業拠出以下」という制約の撤廃」もお願いしたい。実際に自分自身が、ただでさえ低い拠出限度額に最大限まで拠出できず、悲しい思いをしています。

<ご参考>
2014/06/15 確定拠出年金(DC)の掛け金上限引き上げ。非課税口座でより多く投資できると思ったら……

他にも、NISA と DC について、おもしろい改善案がいくつか提案されています。税金を使ってせっかく調査したのですから、国民の資産形成を支援する制度の実現に向けて、ぜひ活用してほしいと思います。
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Posted by水瀬ケンイチ