国内ETFの「基準価額と市場価格の乖離」(2014年9月末時点)、そして、インデックスファンド・ETFの評価方法について

水瀬ケンイチ

個人投資家の期待を集めながらも、「基準価額と市場価格の乖離」の大きさが課題と言われてきた国内ETF。海外資産クラスの主要銘柄の乖離率を、2014年9月末時点でチェックしてみます。



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日興 上場MSCIコク株(1680) -0.78%
日興 上場MSCIエマ株(1681) -0.31%
MAXIS 海外株ETF (1550) +0.29%
iS先進国株 (1581) +0.54%
iSエマージング株(1582) +1.45%
iSフロンティア株(1583) +0.15%

今月は、iSharesの「iSフロンティア株(1583)」の乖離率がおさまりましたが、逆に、「iSエマージング株(1582)」が個人的許容範囲である±1.0%を超えてしまいました。

iSharesの銘柄は上場から1年以上が経ちましたが、市場価格と基準価額の乖離という意味ではまだ安定していません。しかも割高(プレミアム)状態が続いており、私は買えません。引き続きウォッチしたいと思います。

個人投資家が安心して長期投資できるように、国内ETF市場は「買う時も売る時も適正価格」であってほしい。マーケットメイカー等の関係者におかれましては、がんばっていただきたいと思います。


<ご参考その1>
「なぜ乖離するのか?」「ベンチマークが違うものを比較できるのか?」等々、このシリーズ記事に対してよくあるご質問に対する見解は、以下の過去記事をご参照ください。

2012/06/02 日興アセット・東証とのETF勉強会に参加。国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」主因が判明!
2014/01/21 ETFの乖離問題についてのよくある誤解
2014/05/22 東京証券取引所「ETF・ETN市場に関する意見交換会」で指定参加者やマーケットメイカーさんのホンネに迫る

<ご参考その2>
上記の「MAXIS 海外株ETF」(1550)や「MAXIS トピックス上場投信」(1348)を売買するならカブコムがおすすめです。「フリーETF」対象でいくら売買しても売買手数料が無料なので。以下から口座開設できます(無料)
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以上、毎月恒例の「市場価格と基準価額の乖離」の話はおしまい。




ここからは余談ですが、上記のように、ETFには市場価格・基準価額・ベンチマークの「3つの価格」があることを理解されていることを前提に、ちょいと時事ネタをば。

本日、当ブログ記事のテーマである「市場価格と基準価額の乖離」ではなく、「基準価額のパフォーマンス比較」について書かれたよそ様のブログ記事が話題になっています。単純に、どのインデックスファンド・ETFの基準価額のリターンが高いかを競う内容です。

そのなかで、上記ブログ記事にあるような市場価格と基準価額の乖離率が低くて優秀なETFが、必ずしも、他銘柄とのリターン比較で優位ではないことが述べられていました。

当ブログでは、インデックスファンド・ETFの評価は、基準価額のリターンの高さではなく、最終的には基準価額(あるいは市場価格)とベンチマークの乖離の少なさ(トラッキングエラーの少なさ)で判断されるべきものだと考えています。

(当ブログがしばしば運用コストの高低に着目するのは、それがベンチマークから乖離する「確実」な要因だからです)

いくらリターンが高くても、ベンチマークから大きく乖離していればそれはインデックスファンド・ETFとしては×という考えです。上にブレても下にブレても×というのが、インデックスファンドのファンドマネージャーの通常の評価方法です。

基本的にロング(買い方)の投資家しかいないインデックスファンドはともかく、ETFはロングもショートもできる投資ツールです。買い方、売り方の双方にとって、ETFの基準価額はベンチマークに対してフェアでなければいけません。

要するに、インデックスファンド・ETFの基準価額は、ベンチマーク±0%がベストだということです。

「基準価額がベンチマークを上回っている方が良い」というのは、ロング側にとってのみ成立する一方的な話であり、逆のショート側にとっては極めて聞き捨てならない話だという事実を忘れてはいけません。

インデックスファンドの基準価額がベンチマークを上回っている方が良いという考え方は、お気持ちはわかりますが、投資商品の選択肢を間違っています。ベンチマークを上回る「超過リターン」を得たいのであれば、インデックスファンドではなく、アクティブファンドを買うべきです。

なぜなら、インデックスファンドの目的はベンチマークに連動することであり、アクティブファンドの目的は基本的にベンチマークを上回ることですから。

(まれにベンチマークを設定しないアクティブファンドもありますが、それはそれで問題があったりするので、また別の機会に書く予定です)

インデックス投資家は勉強熱心なので、つい細かいところにフォーカスしてしまいがちなのですが、そもそも論を見失うような「木を見て森を見ず」状態にならないようにしたいものです。自戒を込めて。

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Posted by水瀬ケンイチ