「国内ETF市場がいびつである」というモーニングスターの指摘の原因を勝手に考察

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モーニングスターが、国内ETF市場がいびつであると厳しく指摘しています。

モーニングスター アナリストの視点(ファンド)
2014/11/11 ETF市場、“いびつ”な成長遂げた日本

同感です。日本の国内ETF市場は、外国株式ETFや外国債券ETFやコモディティETFもあるにはあるのですが、純資産や売買高は国内株式ETFにおおきく偏っています。

記事によれば、米国では国内株式ETF(米国株式)の純資産額の割合は40%で、それ以外の外国株式や債券など主要資産のETFの割合もバランスが良いとされています。

それに対して、日本は国内株式ETF(日本株式)び割合が92%と大きく偏っています。


米国上場ETFのカテゴリー別純資産額比率
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※米モーニングスターのUSカテゴリーグループに基づく
※2014年10月末時点
出所:Morningstar Directを基にモーニングスター作成


国内上場ETFのカテゴリー別純資産額比率
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※モーニングスター大分類に基づく
※2014年10月末時点
出所:モーニングスター


(モーニングスター上記記事 2014/11/11 ETF市場、“いびつ”な成長遂げた日本より)


モーニングスターでは、「一部のファンドだけに資金が向かうのではなく、米国のように幅広い資産においてファンドの残高が拡大し、分散投資の対象として魅力が高まる環境が望まれる」としています。

まったく同感です。

では何が原因でこうなっているのか。モーニングスターの記事では考察がないようですので、自分なりに原因を考えてみたいと思います。

一つ目として、いちばんの大きな原因は、「ずっと国内株式ETFばかりの時代が続いていたから」という物理的な問題だと思います。

そもそも、国内ETF市場では、1995年に日本初のETF「日経300株価指数連動型上場投資信託」(1319)が上場してから、ずっとTOPIXや日経平均など日本株式ETFしかほぼ存在しない時代が長く続いていました。

当ブログでは、外国株式など個人投資家の資産運用のコアになるような幅広い資産クラスのETFを!と訴え続けていたのですが、日本株式以外のETFがなかなか出てきませんでした。


2008年当時の当ブログとりまとめの嘆き節……
またココか!!
(2008/06/25 「大和が業種別ETF17本を東京証券取引所に上場」より)

2008年頃になって、日本株式以外のETFがようやく出てきたと思ったら、金ETFや原油ETFや通貨ETFなど、非常にニッチなETFがドカドカと出てきて、がっくりしました。ちなみに、当時の当ブログで定番スローガンとなっていたのが、「スポーツカーや軽トラックばかりではなく、まずはカローラを。」でした。(該当記事の例

時は流れて、2010年1月29日の「上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)」(1680)上場、同年2月24日の「上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)」(1681)上場によって、ようやく、個人投資家のコアになるような資産クラスが出てきたのであります。

二つ目として、1680も1681も上場したての頃は、当ブログでも継続的にウォッチしている「市場価格と基準価額のかい離」が割高方向に5~6%もズレており、使い物にならない状態が続いていた問題があると思います。

そこからさらに1~2年くらい後になって、かい離も落ち着いてきて、ようやく「どれ、ETFでも検討してみるか」という投資家の検討対象に入るかな入らないかなというレベルになってきたところです。これは他の国内ETFでは現在進行形の問題です。

国内ETFの「基準価額と市場価格の乖離」(2014年10月末時点)


要するに、日本株式ETF以外のまともなコア資産のETFは、世の中に登場してまだ4年、まともに投資できるようになってからまだ2~3年しか経っていないということになります。

モーニングスターは、ひととおりの資産クラスのETFがそろった現時点で、ETF先進国である米国の状況と比較していますが、国内ETFの歴史を追ってきた者として、少々酷なように思います。日本の国内ETF市場は、まだまだこれからだと思います。

とはいえ、いつまでも国内株式ETF(特にレバレッジ型・インバース型)ばかり取引されているようでは、ETF市場に厚みが出ませんし、個人投資家の資産形成への貢献も限られたものになってしまうと思います。

日本にもETFの数は十分すぎるくらい上場されました。今後は「量」から、コスト低減やかい離率縮小など「質」への転換が求められてくると思います。

証券取引所、運用会社、指定参加者、マーケットメイカーなど国内ETF関係者の皆さまにおかれましては、引き続き頑張っていただきたいと思います。
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