良いアクティブファンドを事前に選ぶ方法は本当にないのか (その2)

水瀬ケンイチ

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良いアクティブファンドを事前に選ぶ方法は本当にないのか (その1)」の続きです。

前回の記事では、過去の実績という定量評価では良いアクティブファンドは選べないように見えるが、本当に定量評価で選ぶ方法はないのか?という問題提起をしました。

あえてインデックス投資家が好むデータをつかって、良いアクティブファンドを事前に選ぶ方法を、再考してみたいと思います。



まず、前回の記事のデータは、国内株式ファンドと米国株式ファンドの実績について、相対的な「順位」の変化を表したものでした。それが年によって一定しないことから、過去実績の定量評価では良いアクティブファンドは選べない。という話の流れでした。

この事実は動かしようがないのですが、少し見方を変えてみたいと思います。「裏読み」です。

アクティブファンドのなかの順位(あるいは分位)が低くても、インデックスを上回ってさえいれば「良いアクティブファンド」と見なしてみます。(インデックス投資家的な考え方ですね)

ふだん、インデックス投資家がインデックスファンドのメリットを主張する時に使うデータを、あらためて引っ張りだしてみましょう。

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(「敗者のゲーム―金融危機を超えて<原著第5版>」チャールズ・エリス著より引用)

洋の東西を問わず、世界中に「アクティブファンドの6~7割がインデックスを上回れない」という調査結果があります。このデータを「裏読み」すれば、「3~4割のアクティブファンドはインデックスを上回っている」ということになります。

その3~4割の勝ち組アクティブファンドをどうやって探すかについては、たとえば、以下のようなデータをもって「難しい」という話になっています。

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(モーニングスター 「インデックスファンドの魅力と活用術」より引用)

2000年にTOPIXを上回った21本のアクティブファンドのうち、9年連続でインデックスを上回ったアクティブファンドはゼロというデータです。インデックスを上回り続けることの難しさを表しています。これは前回の記事の結論ともほぼ同じです。

ここで、さらに無理やり「裏読み」します。

2000年にTOPIXを上回った21本のアクティブファンドのうち、2本だけは「8年連続でTOPIXを上回っている」とも言えます。もしかして、この2本はインデックスを上回る実力があるといえるのではないか?

いや、まだ実力とは言えません。たとえば、ジャンケンは100%運で決まりますが、10,000人で大ジャンケン大会をやったとしても、連戦連勝して優勝する者が必ず1人は出てきます。でもそれは運です。

ならば、今度は「深読み」します。

上記グラフをもう少しよく読み込みます。ポイントは、インデックスを上回るアクティブファンドの減り方です。

TPOIXを上回るアクティブファンドの数は2000年の21本から、1年後に8本と半分以下にズドンと減ってしまいました。でも、3年後に3本まで減った以降は、2~3本がほぼ固定メンバー化して、そこからさらにコンスタントに5年連続でTOPIXに勝ち続けています。

この固定メンバーは、インデックスを上回る「実力」を持ったアクティブファンドと言える可能性があるのではないか。

以上のことから、題名の「良いアクティブファンドを事前に選ぶ方法は本当にないのか」という問いに対する回答は、日本株式アクティブファンドで、数年(例えば4年)以上インデックスを上回り続けている銘柄は今後も上回ることが期待できる(かもしれない)ということが、うっすら言えなくもないような気がしないでもない気がしないでもない気が(以下、ループ)でした。

大きなデータから入った割には、裏読みや深読みを重ねて、最後は母数が小さなデータのフワッフワな解釈になってしまいスミマセン。

インデックス投資家のくせにいつもと反対の立場から、無理やり回答をひねり出そうとした思考実験でしたが、やっぱ難しいや。(チャンチャン♪)


<趣旨から外れるけど言っておきたい追記>
今後またリーマン・ショック級の暴落が来れば、インデックスファンドもアクティブファンドも、仲良く暴落します。投資は自分のリスク許容度の範囲内で。
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Posted by水瀬ケンイチ