米国の愚かな個人投資家を見て笑うことなかれ

水瀬ケンイチ

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WSJ日本版に、米国の個人投資家についての愚かな話が掲載されています。



ウォール・ストリート・ジャーナル日本版
2015/01/22 個人投資家が語らない10の秘密

詳しくは上記記事を読んでほしいのですが、エッセンスだけ抜粋すると以下のとおり。


1.自分たちのやっていることが分かっていない
2.それでも、売買回数が多すぎる
3.何にお金を支払っているのか知らない(しかし恐らく払い過ぎている)
4.自分たちの資産を運用する人を誰でも信用する
5.だまされていても気付かない
6.年齢を重ねても賢くなるとは限らない
7.恐怖心が強すぎてもっと投資できない
8.年金の取り崩しが早すぎる
9.投資を高校の人気コンテストかのごとく扱っている
10.資金をもっと上手に守る方法がある


これらを見て、「アハハ、米国人はバカだなぁ」と笑う方がいらっしゃるかもしれません。でも、はたして本当に笑っている場合でしょうか。

米国は金融先進国です。個人も、学校の授業や確定拠出年金(DC)の浸透を通じて、金融リテラシーを高めてきました。もちろん、貧富の格差による個々人の知識の差はあるでしょうが、相対的に日本よりも上です。

この10年、ブログを書きながら日本の個人投資家像をずっと見てきましたが、けっこうひどいものです。

自分が株式に投資しているのか債券に投資しているのか、もっと言えば、日本に投資しているのか外国に投資しているのかすら理解していない人たち。

2010/11/29 自分の投資対象が分かっていない人たち

投信が分配金を出すとその分基準価額が下がるだけだと、いくら指摘されても、毎月もらえる分配金の多寡でしか商品を選べない人たち。

2012/07/24 毎月分配型投信の分配金の82%が、単に自分のお金の払い戻しという茶番
2014/04/15 セミナーで「毎月分配型の投信への積み立てが資産形成には優れている」と言われた質問者のかたへ

騙されやすい個人に、詐欺団に名簿を横流しする銀行に、詐欺に騙される年金基金のプロたち。

2007/09/24 銀行・証券がマネー争奪戦、シニアから投信への苦情も増加
2006/02/09 みずほ行員、詐欺団に名簿横流し。ひどい話ですが。
2012/06/19 金融詐欺に騙されないために気をつけるべきこと

自分たちの金融リテラシーを棚に上げて、若者のお金の使い方を批判する高齢者たち。

2014/02/13 若者がNISAを使わないのは、「お金」「成功体験」「関心」の3つのゼロが原因?問題はむしろ高齢者にあり

こういう日本の個人投資家たちをずっと見てきました。現在の日本のDC普及度と金融リテラシーからして、WSJの米国の愚かな個人投資家の記事は、日本人の10年以上先の姿だと思います。

賢いあなたは、今のうちに「人のふり見て我がふり直せ」といきましょう。

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Posted by水瀬ケンイチ