日経新聞の投信コスト記事は一見基礎的な良記事ですが、深読みしてみると……

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日経電子版に投信の「コスト」について書かれた記事が掲載されていました。日経新聞であっても、時々、毎月分配&通貨選択型の高コスト投信をやたらに勧めることがあるので、どんなことを書いているのか取りあげてみます。

日経電子版 Money&Investment
2015/2/7 1%が後悔のもと 投信コスト、長期ほど収益に差


詳しくは上記記事をご覧いただきたいのですが、概要は投信のコストである(1)販売手数料、(2)信託報酬等、(3)信託財産留保額について解説するものでした。

記事では、それぞれのコストについて、

・販売手数料について、同じ投信でも販売会社(証券会社・銀行等)によって異なる
・信託報酬について、長期保有する場合は運用成績への影響が大きくなる
・信託財産留保額について、設定がない投信も少なくない

と解説していました。どれも基礎的で大事な知識で、ごもっともなことです。

販売手数料について、インデックス投資に使うインデックスファンドは、投信の販売手数料は0%(ノーロード)が基本です。

証券会社では当たり前のことなのですが、時おり、銀行等でインデックスファンドに販売手数料を設定している金融機関があります。そういうところは、顧客の資産形成よりも自行の利益増大の方に注力しているのだと判断して、まず間違いないと思います。

信託報酬について、これは本当に重要です。年率で表されていますが、実際には日割りで毎日かかってくるランニングコストです。販売手数料のようなイニシャルコストと違い、たとえ何十年も長期保有しても、その悪影響を薄められません。

記事には、「信託報酬が1%の投信を100万円で購入し、年4%で10年間運用したとすると、資産は約133万円になる。しかし信託報酬が2%の場合は約120万円で、13万円の差がつく」という事例が書かれていました。

まるで信託報酬 年率1%の投信が良い事例のように書かれていますが、私が投資のメインに据えている海外ETFの「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」(VT)の信託報酬は年率 0.18%です。日本でも、確定拠出年金(DC)の投信はそれに近い低コストなものが実際にあります。

日本の投資信託の信託報酬は、まだまだ引き下げる余地が大きいと考えて間違いないと思います。

信託財産留保額について、「投信を引き続き保有する人が費用負担しないよう、解約する人が一定額を払う」という説明がなされています。これは金融機関に取られる手数料ではなく、他の投資家たちが保有する信託財産に戻る「迷惑料」みたいなものだという説明がよくなされます。

まあ分かるような気もするのですが、運用の実際を聞くと、インデックスファンドの日々の入出金は、投資家全員の1日分の買いと売りを通算して一括で売買するものなので、個人投資家一人ひとりが売るたびに運用会社に手数料が発生するわけでもないようです。

一般論では、信託財産留保額は煙たがるべきではないという論調が多いですが、個人的には、正直ベースでないに越したことはないというコストだと思っています。

<ご参考>
梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー
2012/04/03 ズバリ、信託財産留保額はあった方がいいのか?ない方がいいのか?

日経の記事の最後に、「成功報酬型の投信、日本で広がるには」という囲みコラムがついています。

「投信が普及している米国では成功報酬型は少なくないが(中略)、日本で成功報酬型が増えるには投資家層の広がりが必要のようだ」とまとめられています。

まるで成功報酬型が日本でも広がらないといけないかのような書きぶりですが、私たち個人投資家は、成功報酬型の手数料が設定されているから儲かるなどと考えない方が身のためです。

何にどう投資すればよいのかは、たとえプロであっても、常に五里霧中。要はよくわからないのが実態です。成功報酬というエサをぶら下げられたからといって、その実態が急にねじ曲がって儲けまくれるほど、相場は甘くないと思います。

仮にそうだとしても、どれだけの利益に対して、何%の成功報酬であれば有利なのか計算できないようであれば(難しいブラック-ショールズ方程式で導けるらしいですが)、個人投資家は手を出さない方が無難でしょう。よくわからない複雑なものは、たいてい金融機関側が儲かるようにできているものです。

以上、日経電子版の投信コストに関する記事について深読みしてきましたが、一見、基礎的で良心的な新聞記事にすら、金融機関側の儲けにつながるような内容が混じっていることがあるので油断できません。

投資は自己責任と言われています。日経新聞に書いてあることであっても、盲信することなく、知識を身につけて自衛する必要があると思います。

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