日経電子版に出ているインデックスファンドベスト10がダメな理由

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日経電子版に日経平均連動型インデックスファンドの15年間リターン上位ベスト10が掲載されています。

日経平均連動型、「本家」上回る成績 配当金再投資、長期で効果

 日経平均株価が4月に15年ぶりに2万円台を回復した。ところが、日経平均連動型インデックスファンドの運用成績(課税前の分配金再投資の基準価格)はその数カ月前、すでに15年前の水準に達していた。指数連動のはずのファンドが「本家」より先に15年前の水準を回復したのはなぜか。答えは配当金にある。

 日経平均は指数を構成する企業による配当を考慮しない。一方、指数連動の投信では組み入れる株式からの配当は運用益の一部となる。これが連動した運用が指数に勝てる仕組みだ。

 表は日経平均連動型投信を15年前に一括購入した時のリターンのランキングだ。首位の「三菱UFJインデックス225オープン」をはじめ、上位10本の上昇率はすべて20%を超えた。グラフからは、時間が経過するほど運用成績が日経平均を上回ってくることも分かる。配当金の再投資は、長期で投資するほど効果を発揮するのが明確だ。

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日経電子版 日経平均連動型、「本家」上回る成績 配当金再投資、長期で効果(2015/05/14)より引用



上記の記事、ベンチマークである日経平均を上回るインデックスファンドのベスト10が紹介されており、一見すると良さそうなことが書いてあります。しかしながら、逆に、以下の2点においてダメなインデックスファンドの紹介になってしまっています。


(1) ベンチマークからの乖離が大きい「ダメ インデックスファンド」ベスト10になっている


言うまでもなく、インデックスファンドは、「あらかじめ定めた指数(インデックス)に連動することを目標に運用するファンドのこと」(投資信託協会より)です。

ベンチマークのインデックスに対して、上ブレ下ブレともに乖離が大きいのはインデックスファンドとしてはダメということになります。上ブレなら大歓迎という投資家の気持ちは大いに理解できますが、「あらかじめ決められた指数を上回る運用成果をめざす運用」(投資信託協会より)は、インデックスファンドではなくアクティブファンドの運用方針です。

株式のように配当が出るアセットクラスのベンチマークを「配当なし指数」に設定し、分配金「再投資」基準価額がベンチマークを上ブレするように見せるインデックスファンドの運用スタンス(およびそれをありがたがる投資家)は、評価を混乱させ、商品比較を困難にするので、個人的には感心できません。

配当が出るアセットクラスでは、インデックスファンドのベンチマークは「配当含む指数」にして、運用コストの低さ(運用会社の企業努力)がパフォーマンスに直結するような形が健全だと思います。

「インデックスファンドがインデックスを上ブレしても、儲かりゃいいんだよ」という考えは、「信託報酬が高くても、儲かりゃいいんだよ」というアクティブ投資家と言っていることは本質的に同じです。


(2) 今や高コストなインデックスファンドばかりである


「日経平均連動型ファンドの15年間リターン上位」ということは、15年前に既にあったインデックスファンドのベスト10です。裏を返せば、10年前や5年前に登場した、低コストなインデックスファンドは入っていないということになります。

その証拠に、この日経平均連動インデックスファンドベスト10は、信託報酬が年率 0.6~0.7%と現在のインデックスファンドの信託報酬としては高い水準です。

現在、主要な日経平均連動インデックスファンドの信託報酬は、「ニッセイ日経225インデックスファンド」の年率0.25%を筆頭に、SMTやeMAXISなど年率 0.3~0.4%程度と上記ベスト10のファンドの信託報酬の半分程度の安さです。(信託報酬は税抜ベース)


以上の2点において、日経電子版のインデックスファンドベスト10は、ダメなインデックスファンドの紹介になってしまっています。新聞を見て、「このなかから選べばいいのか」などと思われませんよう、お気をつけください。

なお、「インデックスを上ブレするインデックスファンドの良し悪し」については、インデックス投資家のなかでも賛否両論あるのは承知しています。各人でいろいろな考え方があってよいと思いますが、金融商品の評価ロジックの話を、「高潔だ」とか「潔癖すぎる」などという「個人の態度」の問題にすり替えるのは不適切です。

繰り返しになりますが、配当が出るアセットクラスでは、インデックスファンドのベンチマークは「配当含む指数」にして、運用コストの低さ(運用会社の企業努力)がパフォーマンスに直結するような形が健全だと思います。

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