アクティブファンドがETFに投資する筋の悪さ

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なかなかインデックスに勝てない米国のアクティブファンドが、あろうことかETF投資を始めたそうです。

焦点:負け続けの米アクティブ運用型ファンド、ETF投資積極化 | ビジネスニュース | Reuters

[ニューヨーク 22日 ロイター] - パッシブ運用型ファンドに対して連戦連敗の米アクティブ運用型株式ファンドが、勝てないなら敵を飲み込んでしまえとばかり、相次いで上場投資信託(ETF)を運用資産に組み込んでいる。

過去5年間というもの、アクティブ運用型ファンドはETFに対してリターン、市場シェアの両面で敗北を喫してきた。リッパーのデータによるとこの間、ポートフォリオの組み入れ比率トップ10の中にETFが入っているアクティブ運用型株式ファンドの数は174%も増え、148件になった。過去1年間では23%増えた。



素朴な疑問として、インデックスを上回ることを目指すアクティブファンドが、生株で運用すれば運用コストゼロなのに、わざわざ信託報酬等の運用コストが(安いとはいえ)かかるETFで運用すれば、単なる「劣化版」インデックスファンドになってしまわないでしょうか。

ファンドマネージャーとしては、ETFに投資することでポートフォリオの大半をインデックスに手間なくトラッキングさせておいて、わずかな残り部分を自信がある投資先にツッコんで勝負し、僅差でインデックスを上回る腹づもりなのかもしれません。

しかし、アクティブファンドなのにETFに投資をして、「アクティブ・リスク」を取らない方向に絞るという運用は、私たち投資家から見たら、アクティブファンドの高額な手数料の存在意義をアクティブファンドが自ら放棄していることになり、方向性として間違っているような気がします。

上記引用記事に、「勝てないなら敵を飲み込んでしまえとばかりにETFに投資」とありますが、それは話の筋がすこし違っています。

アクティブファンドがETFに勝てないのは、ETFの運用がうまいからではなく、アクティブファンドが自らの高額な運用コスト(信託報酬)に押しつぶされているから、結果的にETFに勝てない(≒自滅してる)だけというのが実際の姿です。

『機関投資家そのものが「市場」であり、顧問料、売買手数料その他コスト分、機関投資家は自分自身に勝つことはできない』というのが「敗者のゲーム」(チャールズ・エリス著)の結論です。

アクティブファンドがいくらETFを組み込んでも、結局、高額な信託報酬が上乗せされてしまうので、平均的にインデックスを上回るのは相当難しいのではないかと思います。

「昨年ベンチマークを上回ったミューチュアルファンドは2割にとどまり、過去10年超で最悪となった。アクティブ運用型ファンドがパッシブ運用型を大差で打ち負かすことができない状態は7年目に入った」そうですが、アクティブファンドが自らの運用コスト(信託報酬)を下げることなくETF投資に走るようであれば、まだまだ当分、この状況は続くのではないでしょうか。

金融先進国の米国でさえこんな状況、ましていわんや日本においてをやです。


4532356288敗者のゲーム〈原著第6版〉
チャールズ・エリス 鹿毛 雄二
日本経済新聞出版社 2015-01-24

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