「投資賢者の心理学」は、投資家が「心の落とし穴」にハマらないための解決策まで書かれた行動経済学本

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投資賢者の心理学 ―行動経済学が明かす「あなたが勝てないワケ」』(大江英樹著) を読みました。

本書は、投資家全般に共通する「心のクセ」を、行動経済学の観点から解説しています。著者の大江英樹氏が日経電子版で連載していた同名の人気コラムがもととなっています。当ブログでも引用させていただいたことがあります。

証券会社や銀行の窓口は、「販売のプロ」であって「アドバイスのプロ」ではない - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)

行動経済学は人間なら誰にでも当てはまる内容です。大江氏は野村證券で38年間勤務した証券マンであり、顧客だけでなく証券マン自身も同じ場面で同じ間違いを犯してしてしまうのを見て、不思議だったといいます。その理由が、まさに行動経済学だったといいます。

本書は他の行動経済学本とは少し違います。たとえば、学者の本では、「AケースとBケース、あなたならどちらを選ぶ?」という定番クイズからの「○○という行動は、行動経済学の△△で説明できる」というウンチクを語って終わりがちです。

しかし、本書は実際の日本の証券市場や金融商品を例にして、「では投資家はどうすればいいのか」という解決策まで書かれています。

どんな商品を選ぶとよいのか、どんな商品を避ければよいのか、どんな方法で投資すればよいのか、どんな方法を避ければよいのかなど、「心の落とし穴」にハマらないための具体的方法は、自分の投資の役に立ちそうです。

目次です。

はじめに

第1章 誰もが思い込んでいる資産運用7つの勘違い
1.「金融機関はプロだと思う勘違い」
2.サラリーマンはお金持ちになれないという勘違い
3.定期預金ではインフレに対応できないという勘違い
4.“持たざるリスク”という勘違い
5.長期投資=低リスクの勘違い
6.リスク・リターンの勘違い
7.投資の利益は不労所得という勘違い

第2章 投資の基本、ありがちな間違いは?
1.老後が心配だからそろそろFXでも!?
2.ドル=コスト平均法を疑え
3.AKB48に見るマーケット感覚
4.株より債券の方が安全?
5.お薦め銘柄を聞いてしまう投資家の思考停止
6.投資の世界ではアマがプロに勝てる
7.投資手法と健康法 で、どれが一番いいの?
8.やってはいけない、退職金投資デビュー

第3章 年金や保険にもあふれている勘違い
1.公的年金運用に対する勘違い
2.個人年金保険の不思議
3.多すぎて選べない困った現象
4.救いの神か余計なお世話か

第4章 株式投資に潜む心の罠
1.なぜ株式投資は十勝一敗でも損をするのか?
2.ナンピン買いの勘違い-単なる気休めでリスクが増大
3.“株は5月に売れ!”は本当か?
4.背中を押してほしい投資家の心理
5.相場に乗り遅れた人の負け惜しみ
6.みんなどうしてる? ――不思議な心理
7.今度だけは違う
8.自分の買値にこだわる残念な心理
9.株を始めるにはいくらぐらいの金額でやればいいか?
10.年末にやってみる投資戦略

第5章 投資信託は知らないことがいっぱい!
1.投資信託の分配金に対する大きな誤解
2.投信の“基準価額”は“判断基準”ではない
3.“混ぜるな、危険”
4.見えにくい手数料に注意
5.テーマで買ってはいけない投資信託
6.「信託財産留保額なし」で喜ぶ不思議

第6章 マーケットや制度にも罠がある
1.従業員持株会には注意が必要
2.やってはいけない職域NISA
3.ミスター・マーケットに気をつけろ
4.ストラテジストの予想はなぜ当たらないのか?
5.リスクを高めずにリターンを高める方法
6.株式こそがリアルマネー

終章 では、どうすればいいのか?
(1)心の命ずるままにならない仕組みをつくる
(2)ルールを決める
(3)体験する
(4)見た目に惑わされない
(5)他人を気にしない

最後に

おわりに



目次に書かれているキーワードに、思わず「それそれ、それが知りたいんだよ!」と反応してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

いつもなら書評記事の最後に、どんな人にこの本をおすすめするかを書いているのですが、本書をおすすめしたいのは、個別株と投資信託、インデックスとアクティブ、老若男女などいっさい関係なく、ズバリ、「すべての投資家」です。


4532356539投資賢者の心理学 ―行動経済学が明かす「あなたが勝てないワケ」
大江 英樹
日本経済新聞出版社 2015-07-16

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