「インデックス投資家は制裁されるべきダメ会社を買い支えてるからケシカラン」という言説について

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昔から、ほんとうに昔からある話ですが、最近もまた、「インデックス投資家は制裁されるべきダメ企業を買い支えてるからケシカラン」という言説を目にします。

企業不祥事のたびに繰り返されるインデックス投資家への揶揄


私が知るかぎり、過去、ライブドアあたりから、日興コーディアルグループ、カネボウ、オリンパスなどを経て、東芝に至るまで、日本企業の不祥事が起きるたびに、まったく同じ言説が繰り返されています。

これは、インデックス運用が株式の割安・割高をすべて受け入れて銘柄選択をしないことで、個別銘柄のリサーチ・コストをアクティブ運用に依存するという、いわゆる「フリーライダー問題」に対する揶揄です。

インデックス投資家の泣きどころでもあり、言われても仕方がない面はあるのですが、当のアクティブ投資家も本質を理解せず、誤った言説を繰り返している面もあると思うので、このあたりで(分が悪いと知りつつも)一度記事で取り上げたいと思います。


まずは、手間をはぶいてゴメンナサイ


まず第一に、インデックス投資家が自分で銘柄選択をせず、アクティブ投資家が手間をかけて付けた価格にタダ乗りしているという意味においては、フリーライダー問題は事実です。ゴメンナサイと言うほかありません。


あなた方の値付けに従って投資しているだけ


第二に、しかしながら、インデックス投資家はアクティブ投資家がつけた価格をすべて受け入れて投資しているのも事実です。

一説によると、アクティブ運用資金が市場の7割を占めると言われています。ダメ株があったとしたら、その多数派であるアクティブ投資家により徹底的に売り込まれ、株価は地の底まで落とされているはずです。

インデックス投資家は、地の底の株価のダメ株を、同様に市場全体に対して徹底的に小さくされた時価総額比率程度にちょこっと投資するだけです。

良くも悪くも、アクティブ投資家の判断結果(ダメ株の制裁結果を含め)を、インデックス投資家は文句を言わずに受け入れているのです。インデックス運用が市場に与える悪影響がまったくないとは言いませんが、アクティブ投資家の総意で、彼らが高い株価を付ければたくさん投資しますし、彼らが低い株価しか付けなければ少ししか投資しません。アクティブ投資家が1円の価値もないと判断すれば、1円も投資することはないのです。

一部のアクティブ投資家が勘違いしているように、インデックス投資家は、指数採用銘柄に「均等配分」で投資しているわけではありません。銘柄による重み付けはアクティブ投資家の判断に身を任せています。

ここを誤解したまま、「インデックス投資家は制裁されるべきダメ企業を買い支えてるから云々」という一点のみで、鬼の首を取ったように叩いてくるアクティブ投資家は、もしそうなら自分(および自分が属している運用法)の力不足を天下にさらしているような面もあるので、程々にしておいた方がよいかもしれません。

ちなみに、2015年6月30日時点の私のポートフォリオにおいて、いま話題の東芝株が占める比率を計算したところ、概算で0.03%程度です。直近の7月末になれば、アクティブ投資家の活躍により、もっと下がっていることでしょう。


そもそもあなた方の値付けも怪しいですけどね


第三に、インデックス投資家を叩いているアクティブ投資家がダメ企業と決めつけている企業が、そもそも将来の株価動向という面で本当にダメなのか、かなり疑わしいと思っています。

株式投資を美人投票になぞらえたケインズの例えは秀逸だと思います。自身が最も美しいと思う写真を選ぶのではなく、他の投票者の好みに最もよく合うと思う写真を選択しなければならないというルールが、株式投資とそっくりだということです。

過去、ダメ企業として吊るし上げられた赤字企業が決算を迎え、やはり赤字ながらも思ったよりも赤字幅が小さかったなど、「ダメ企業だけど思ったよりダメさ加減が酷くなかった」ことから、株価が上がる例は枚挙に暇がありません。

「ダメ企業を排除すればインデックスを上回ることなど容易だ」と真顔で言うアクティブ投資家はたくさんいますが、これは一見正しそうで、彼以外の人たちがそのダメ企業を相対的にどう見ているのかを本当に把握して言っているのか、かなり疑わしいと思っております。

同様に、「インデックス投資家は制裁されるべきダメ企業を買い支えてるから云々」という主張は、その「ダメ企業」が将来の株価動向的に本当にダメな企業であるという前提が正しくなければ成立しない、ある意味、砂上の楼閣のような弱いロジックであるとも言えるでしょう。

もし将来の株価的に本当にダメな企業を見抜けるアクティブ投資家であれば、ダメ企業の登場は、空売りすることで大儲けするまたとない好機です。インデックス投資家にお小言など言っている暇などないはずです。あるいは、自分はしっかり空売りしたあとで、「制裁されるべきだ」と騒ぎ立てて更なる株価下落を誘導する「策士」かもしれませんが。


まとめ


以上、「インデックス投資家は制裁されるべきダメ企業を買い支えてるからケシカラン」というアクティブ投資家の言説に対して、第一に、手間をはぶいてゴメンナサイ、第二に、あなた方の値付けに従って投資しているだけです、第三に、そもそもあなた方の値付けも怪しいですけどね、というインデックス投資家のぼやきでした。

私は、インデックス投資家のどなたかが言った、「清濁併せ呑むインデックス投資」という言葉が的を射ていて好きです。

全部飲み込むことによって、損も得もあるでしょうが、しかしそれがどの銘柄なのかは後になってみないとわかりません。そういった損得や善悪も含め、この世界丸ごと全部受け止めるよという懐の深さを感じるからです。インデックス投資の発祥は西洋ですが、本質は意外と東洋的かもしれませんね。

まあ、このような話をしたからといって、アクティブ投資家から「なるほどそうだったのか!今まで揶揄してごめんね」などという共感は得られないこともわかっております。

ただ、インデックス投資家側に対して、「フリーライダー問題」にかこつけ、いわれのない揶揄が繰り返されていて、それは揶揄してる側にもブーメランで戻ってくるんですよということだけでも伝われば。


※記事中に出てくる銘柄については例であって、売買をすすめる意図は一切ございません。
※言わずもがなですが、投資判断は自己責任でお願いします。


<特に関連が深い過去記事>
バンガードのレポート「インデックス運用は大きくなりすぎたか?」が興味深い
インデックスファンドからは東電株を外さなくてよい
「狂信的なインデックス主義者」と言われないための3つのポイント

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