7/20朝日新聞記事「分裂にっぽん 新しき富者」 2

水瀬ケンイチ

『7/19朝日新聞記事「分裂にっぽん 新しき富者」』の続きです。

朝日新聞の記事「分裂にっぽん 新しき富者 2」 を読みました。
概要としては以下のとおりです。
(水瀬の解釈ですので誤解・曲解があるかもしれません)

『海外金融機関の「ジャパンデスク」(PB(プライベートバンキング)部門の日本客専門チーム)が、節税効果を尋ねる日本人富裕層でにぎわっている。
PBにとって、日本人富裕層は新たな上客。
彼らの資産「脱出」には、時に脱法もいとわないとされるPBが影の指南役になっている。』

なるほど。富裕層の資産脱出の指南役がPBであるとの指摘です。
たしかに、節税効果を狙ったタックスヘイヴンでの海外投資を、個人だけでやるのは難しいと思います。そこで指南役にお願いするとなるのは自然な流れだと思います。

でも、ちょっと気になるのは、記事の書き方です。
記事には、「プライベートバンキング」「タックスヘイヴン(租税回避地)」「ナンバーアカウント」「アングラマネー」と、妖しくも魅力的な言葉が散りばめられており、それらが、PBの「特別に儲かる秘密の運用」的な雰囲気を醸し出しています。
読者に「自分もPBで運用してみたい」と思わせるのに十分な書きっぷりです。

しかしながら、こと「運用」においては、必要以上にPBを憧れ崇める必要はないと個人的には思っています。
その理由として、以下のことを知ったからです。


○ PBの運用といっても、投資先は結局のところ、国内外の株・債券・商品・不動産など「普通の資産」である。
○ PBの一任勘定では、大半がインデックスを上回れない。(「臆病者のための株入門」(橘玲著)より)
○ タックスヘイヴン(租税回避地)での運用といっても、その国への納税義務はなくても、日本への納税義務はある


裏金で脱法をいとわないというのであれば別ですが、通常の資産運用において、PBに多大なアドバンテージがあるわけではなさそうです。
富裕層の日本脱出や租税回避を憂う特集企画であれば、大新聞は、悪戯にPBへの興味を煽り立てるだけでなく、こういった基本的情報も書くべきではないでしょうか。
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Posted by水瀬ケンイチ