インデックスファンドの10割すべてがインデックスを上回れない?(その1)

水瀬ケンイチ

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数年前、あるマネー誌の取材に応じた時のこと。記者さんの質問に私が答える形で、取材は進行しました。

ところが、インデックス投資の良さを語る私に、記者さんは明らかに不満そうな顔をされていました。どうやらアクティブ派の記者さんのようです。



インデックス vs アクティブの「神学論争」の論旨はともかく、スポンサー関係など大人の事情もあり、インデックス派の記者が少数派になるのは、仕方がないことかもしれません。実際に、過去数十回取材を受けてきたなかで、アクティブ派の記者さんたちとお話する機会が多かったと思います。

また、マネー誌の読者側も、市場平均に投資するという面白みの少ないインデックス運用よりも、「10倍になるお宝銘柄を探せ!」のようなワクワクどきどき感があるアクティブ運用の方に興味を示します。要するにアクティブ運用の方が、マネー誌の売上が良いようです。

取材の最初は、投資を始めたキッカケや保有商品などの質問から入るわけですが、だんだんと、ちょっと厳し目の質問も投げかけられたりします。

平均に投資してなにが楽しいんですかね?

面白みの少ない投資をやることに対する疑問の投げかけ。今まで何度も聞かれた質問です。

私は人生における楽しさは、投資には求めてません。家族や友人と飲んだり食べたりしてる方が断然楽しいです。雪山をスノーボードで滑ったり、サッカースタジアムで見知らぬ方々と肩組んで歌ったりするのも楽しいです。

もちろん、ブログで世の中に情報発信するのも楽しいです(たまたま当ブログのネタはインデックス投資ですが、インデックス投資家はみんなインデックス投資ブログをやらねばならないなどという決まりはありません。当たり前ですが)。

すべての投資家がインデックス投資をしたら、市場はどうなってしまうと思いますか?

市場の機能に支障をきたすのではないかという疑問の投げかけ。今まで何度も聞かれた質問です。

市場の8割はアクティブ運用資金が占めており、インデックス運用が占める割合は2割以下と言われています。すべての投資家がインデックス投資をしたらというのは、ありえない極論です(関連記事)。

また、万が一、インデックス運用の比率がアクティブ運用と逆転したとしたら、それは市場に歪みがたくさんあふれており、アクティブ投資家の儲けるチャンスが拡大していることを意味します。貪欲にリターンを求めるアクティブ投資家が、あるべき水準まで自然に盛り返してくるはずです。

取材では、こういったお決まりのやり取りが繰り返されるわけですが、

「アクティブファンドの6~7割はインデックスを上回れない」

というインデックス投資家界隈でおなじみのデータに話が及んだ際に、くだんの記者さんは笑みを浮かべながら、おもむろにこう言いました。

「でも水瀬さん、アクティブファンドの6~7割はインデックスを上回れないって言いますが、インデックスファンドは10割すべてがインデックスを上回れませんよね?

(つづく)
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Posted by水瀬ケンイチ