2015年のNISA非課税枠の端数を「あの投信」でぴったり埋めて活用しつつ、非課税期間の恒久化を要望する
水瀬ケンイチ

先日、数か月ぶりにNISA口座の様子を見たら、2015年の累積買付金額が94万円弱でした。100万円の非課税枠が、6万円ちょっと余っているではないですか。
個人的にNISA口座の運用商品として、海外ETFのVT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)に投資しています。
日本株式・先進国株式・新興国の大型・中小型株というまさに「全世界」の株式に、これ1本で投資できます。それでいて、経費率はわずか年率0.17%です。
外国株式扱いになる売買手数料も、NISA口座では購入時無料なので、負担感が少ないです。
また、分配金に対して米国現地と日本で二重課税されたもののうち、日本での課税分は確定申告の外国税額控除により取り返すことができるのですが(ふつうの投信やインデックスファンドは二重課税を取り返すすべはない)、NISA口座では、課税されないのでその作業も必要ありません。
ただ、海外ETFなので株数単位でしか購入できず、またドル転するための為替取引の影響もあり、非課税枠の100万円ぴったりで購入することが難しいです。どうしても、「端数」が出てしまいます。
端数が少しくらいなら放っておいてもいいのですが、今日見たら6万円強も余っていました。
そこで、ETFの分配金や個人向け国債の利金など宙に浮いていた預り金(MRF)をかき集め、昨年2014年と同様、「世界経済インデックスファンド」をNISA口座で購入しました。6万円強を1円単位で購入し、累積買付金額が非課税枠の100万円ぴったりとなりました。スッキリ!
<ご参考>
NISA口座の非課税枠の「端数」をどうするか - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)
ちなみに、NISA口座内での累積損益は、今のところプラスなので、NISA口座を利用している意味はある状況です。
NISA口座内でマイナスのまま非課税期間を終えてしまうと、他口座との損益通算ができないばかりか、その時の時価で取得価格が上書きされてしまい、将来の課税額が増えてしまうという、「泣きっ面に蜂」状態になります。
それもこれも、非課税期間が恒久化されていないからです。今までも、制度設計の段階で非課税期間の恒久化を要望してきましたし、これからも、NISAの利用者として要望していきたいと思っております。
<ご参考>
梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー流「NISAの考え方のキモ」 - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)
<ご注意>
海外ETFは素晴らしい商品ですが、取引にはインデックスファンド等に比べて手間とコストがかかります。場合により確定申告も必要になりますが、関連情報はまだ充実していません。自力で疑問を解決できる方向けの「玄人向け」インデックス商品であることは、知っておくべき情報だと思います。
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