『生命保険は「入るほど損」?!』(後田亨著)は、アクチュアリー(保険数理士)お墨付きの後田シリーズ集大成

『生命保険は「入るほど損」?!』(後田亨著)を読みました。後田シリーズの保険の主張にアクチュアリー(保険数理士)のお墨付きがついた「集大成」という感じでした。

4532356342生命保険は「入るほど損」?!
後田 亨
日本経済新聞出版社 2015-11-21

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保険会社の人たちは自社の売れ筋保険ではなく、シンプルな団体保険を愛用していること、個人年金保険は損する期間が長過ぎること、まずは国や勤務先の保障を確認するのがよいなどなど、本書の主張は今までの後田氏の著書とかぶる部分は多いです。

しかしながら、本書においては、後田氏の「個人の考え」から、アクチュアリーが認める「保険の原則」に格上げされた感があります。

保険は、他の金融商品である投資信託等に比べると情報開示が遅れていて、運用コストのデータがほとんど開示されていません。そこで、数少ない周辺データや、保険代理店の方々の証言をもとに、運用コストを推計するのですが、アクチュアリーの協力によって、その根拠がより強化されています。

その結果、真に検討に値する保険は、3本しかないという結論になっています。

実際問題として、私たちがどこかで聞いたことのある「セールストーク」「CM」「キャッチコピー」について、どこがおかしいのか、ひとつずつ論破していき、検討に値する最新の具体的保険銘柄を示したあと、最後は私たち消費者がもっとしっかりしなくてはいけないという提言をしています。

著者は、なるべく保険には入らず、もしもの時の備えについても、公的な遺族年金や高額療養費制度で足りない分だけを備えるべきで、しかも、それは保険会社からの保険金という形でしか備えられないものなのか?と考えることをすすめています。

個人的な話で恐縮ですが、前回のブログ記事でも書いたとおり、相方がブラック企業で体調を崩す一歩手前までいってしまい、仕事を辞めて約1年間休養してもらいました。おかげさまで、すっかり回復し仕事に復帰することができたのですが、その間に必要なお金は、貯めた「生活防衛資金」(預貯金)を取り崩すことで捻出しました。

2015/12/12 相方が仕事に復帰することになりました - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)

保険金は実際に病気になった「後」でなければ一切出ませんが、病気になる「前」に仕事を辞めるというアグレッシブな判断をくだせたのは、保険ではなく、預貯金という極めて自由度が高い資金で備えていたからだと思います。

本書で書かれている理屈と私の体験がぴったり合ったので、納得感がありました。もちろん、家族構成や就労状況などの環境は人それぞれ異なるので、私の状況が全員に当てはまるなどとは思っていませんが、本書に書かれている「保険の原則」は基本的な考え方として有効なものだと思います。

本書でも、保険は一切不要と言っているわけではなく、場合によっては必要な保険について、具体的銘柄が書かれています。ご興味があれば読んでみてください。

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