国内ETFの「基準価額と市場価格の乖離」(2016年1月)、軒並み乖離率拡大……

水瀬ケンイチ

個人投資家の期待を集めながらも、「基準価額と市場価格の乖離」の大きさが課題と言われてきた国内ETF。海外資産クラスの主要銘柄の乖離率を、2016年1月の状況をチェックしてみます。



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日興 上場MSCIコク株(1680) +1.22%
日興 上場MSCIエマ株(1681) +1.59%
MAXIS 海外株ETF (1550) +1.62%
野村 NYダウ30種ETF(1546) +0.24%

ウォッチ銘柄の乖離率が、軒並み個人的許容範囲の±1.0%を超えています。

先月に引き続き、市場が大きく動いた時に乖離も大きくなるという印象です。こういう時こそ、1日1回しか値付けされないインデックスファンドではなく、リアルタイムで売買できるETFを使って機動的に売買したい向きもあるように思います。(私はバイ&ホールド戦略を採っているので機動的売買はしませんが)

グラフの乖離率のデータは月平均ですが、日次データで見ると、1月中旬は3.0%以上割高に乖離した日もあります。ちょうど円高が急進した時期に重なります。

円高だと海外資産(海外株や海外債券など)を有利に買えます。ここぞとばかりに、海外資産に投資する国内ETFに買い注文を出した投資家が、相当数いたであろうことは想像にかたくありません。その中には、思わぬ割高価格で買ってしまった方もいるはずです。

実際の価値よりも3.0%以上割高に買うということは、たとえばネット証券で買えばノーロードの投信を、大手証券会社で販売手数料3.0%以上で買ってしまったことと同程度の損失です。大きなお金を動かすにはちょっとためらわれるレベルでしょう。

ウォッチしているのは国内ETFは上場してから数年経っている老舗ETFですが、平時は比較的安定しているものの、相場が動くと乖離が大きくなるというようにも見えます。

ETFは上場している以上、市場参加者達の行動の影響を受けるのは仕方ない面もあるのかもしれませんが、ETFの特長のひとつである機動性を乖離率が邪魔してる形になっており、歯がゆいです。

国内ETF、頑張ってほしいんですけどね……。


<ご参考その1>
「なぜ乖離するのか?」「ベンチマークが違うものを比較できるのか?」等々、このシリーズ記事に対してよくあるご質問に対する見解は、以下の過去記事をご参照ください。

2012/06/02 日興アセット・東証とのETF勉強会に参加。国内ETFの「市場価格と基準価額の乖離」主因が判明!
2014/01/21 ETFの乖離問題についてのよくある誤解
2014/05/22 東京証券取引所「ETF・ETN市場に関する意見交換会」で指定参加者やマーケットメイカーさんのホンネに迫る

<ご参考その2>
上記の「MAXIS 海外株ETF」(1550)や「MAXIS トピックス上場投信」(1348)を売買するならカブコムがおすすめです。「フリーETF」対象でいくら売買しても売買手数料が無料なので。以下から口座開設できます(無料)
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Posted by水瀬ケンイチ