与党金融調査会長、NISAの非課税期間恒久化を含めて検討する必要があるとの見解

水瀬ケンイチ

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NISA導入3年目にして、ようやくこの話が出てきました。



自民党の根本匠・金融調査会長(元復興相)は17日、ロイターのインタビューに応じ、非課税期間が投資開始から最長5年、口座開設の期限が2023年末までとなっている少額投資非課税制度(NISA)について、恒久化を含めて検討する必要があるとの見解を示した。

同調査会は、成長企業へのマネー供給や家計のポートフォリオ・リバランス促進に向けた議論を行っている。NISAの扱いも含めた結論は、今年6月をめどに取りまとめられる政府の成長戦略に盛り込まれる方向だ。

インタビュー:NISA、恒久化含め検討必要=自民・金融調査会長 | ロイター


現在のNISA制度は、非課税期間が限られているせいで、利用するとかえって損するケースがあり、実は使い方が難しいものとなっています。

かえって損するのは、非課税期間終了時に含み損を抱えているケースです。

強制的に課税口座に払い出されるわけですが(※)、その際に、(1)他の口座(既存の特定口座や一般口座)との損益通算・損失の繰越控除が不可能であること、(2)取得時より安い時価に取得価格が上書きされてしまうことにより、実際は損してるのに将来の課税額が増えてしまうことの2点が、NISA利用によるデメリットになってしまいます。

※ロールオーバー可能分を除く。

そのため、ふだんバイ&ホールド戦略を採用している長期投資家たちも、短期だか長期だか微妙な「5年後の時点」で儲かっている可能性が高い商品を探さなくてはいけないという、よくわからない状況に巻き込まれています。

<ご参考>
2013/12/15 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー流「NISAの考え方のキモ」

個人的には、「5年後にちょうど儲かっている商品などわからないし、5年後は毎年来るんだから」と割り切って、NISAを利用しています。しかし、投資家のなかには、上記のようなかえって損するケースがある以上、あえてNISAは利用しないという方もいるようです。

それもこれも、すべて非課税期間が5年と限られているのが原因です。冒頭の金融調査会長が言うように、非課税期間が恒久化されればすべて解決です。

NISAの非課税期間が5年に限られていることが、投資家の本当の長期投資を邪魔している面があるのは、制度の趣旨に照らしておかしいです。それは金融当局もわかっているはずです。

導入検討当時、いきなり非課税期間恒久化ありきでは、財務省などの関連当事者が首を縦に振らず、制度導入自体がなしえなかったのであろうこともわかります。

しかしながら、既にNISA導入3年目。

投資家の認知もそれなりに進み、金融機関のシステム対応も進んだ現在、関係者のみなさまにおかれましては、ぜひとも、ぜひとも、NISAの非課税期間の恒久化をお願いいたします。

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Posted by水瀬ケンイチ