「NISAの恒久化」とは、非課税期間の恒久化なのか?時限立法の恒久化なのか?

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日本経済新聞の報道によると、金融庁は小額投資非課税制度(NISA)の恒久化を検討するとのこと。

NISA恒久化検討、金融庁、現役世代の投資後押し。

 金融庁は、年120万円までの投資で得た売却益や配当を最大5年間非課税とする少額投資非課税制度(NISA)の恒久化を検討する。現在は2023年で制度が終わるが、24年以降も継続して利用できるようにする。
 現役世代による「貯蓄から投資」の流れを後押しする狙い。恒久化検討は安倍晋三首相が掲げる「国内総生産(GDP)600兆円」目標実現に向けた具体策の一つだ。経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に盛り込み、年末の政府・与党の税制改正議論で細部を詰める。

(日本経済新聞 2016/04/30 3ページより引用)


NISA導入前から要望している恒久化。NISA導入後もあっという間に3年目に入り、そろそろ決めてほしい案件です。

先月にも、与党金融調査会長がNISAの恒久化検討の見解を示しており(該当記事)、今回は金融庁が検討するとの報道で、実現性が高まっているのかなぁと勝手に期待しております。

ところで、「NISAの恒久化」とひとことで言っても、厳密には、

(1) 5年間という非課税期間を恒久化すること
(2) 2023年までの時限立法である制度自体を恒久法化すること

という2つの面があると思います。

日経新聞等の報道は、単に「NISAの恒久化」としか表現しないことが多いです。記者さんが、どちらの意味で書いているのかはわかりません。未定のことなので、そこらへんはあえてぼかして書いているのかもしれません。

私は2つの面の両方とも必要だと思っていますが、主に1つ目の「非課税期間の恒久化」を念頭に、NISAの恒久化を要望しています。他の多くの投資家さんたちもおそらく同じではないかと思います。

現在のNISAの制度は、非課税期間が限られているせいで、利用するとかえって損するケースが存在し、実は使い方が難しいものとなっています。かえって損するのは、非課税期間終了時に含み損を抱えているケースです。

最近、市場が軟調のようなので、今までいまいちピンとこなかった方も、証券会社のNISA口座画面のマイナス数値を見れば、実感を持ってこの問題点を考えられると思います。

非課税期間終了後、運用資産は課税口座に払い出されるわけですが、損を抱えている場合、(1)他の口座(既存の特定口座や一般口座)との損益通算・損失の繰越控除が不可能であること、(2)取得時より低い時価に取得価格が上書きされてしまうことにより、将来の課税額が増えてしまうことの2点が、NISA利用でかえって損が拡大するデメリットになっています。

そのため、普段バイ&ホールド戦略を採用している本当の長期投資家たちも、短期だか長期だか微妙な「5年後の時点」で儲かっている可能性が高い商品を探さなくてはいけないという、よくわからない状況が続いています。

仮に、「NISAの恒久化」が現在の非課税期間のまま、時限立法が恒久化されるだけだと、どうなるか。

短期だか長期だか微妙な、「ちょうど5年後にプラスになっている商品を当てに行く大会」が、2023年以降も毎年、毎年、くり返し行われるだけの形となり、金融庁などが目指している「個人の長期投資促進」という目的と合致しません。

繰り返しになりますが、私は「NISAの恒久化」の2つの面の両方とも必要だと思っています。どちらが先でも構いませんが、最終的には「非課税期間を恒久化」が行われなければ、本当の意味での長期投資の促進にはならないということは、明確にしておきたいです。

今後も、機を捉えて金融機関や関係省庁などに要望を続けていきたいと思います。


<関連が深い過去記事>
与党金融調査会長、NISAの非課税期間恒久化を含めて検討する必要があるとの見解 - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)

※厳密には、現在のNISA制度は非課税期間終了後に一定の条件をクリアすれば、一部をロールオーバーすることが可能ですが、本ブログ記事では話をシンプルにするために5年の非課税期間と表現しております。あらかじめご了承ください。

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