「確定拠出年金の教科書」(山崎元著)は100%個人の利益の側に立った教科書

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「確定拠出年金の教科書」(山崎元著)を読みました。本書はたしかに教科書ですが、100%個人の利益の側に立った、一歩踏み込んだ教科書でした。

個人型と企業型の確定拠出年金について、よくあるメリットや始め方だけでなく、教科書らしく、運用の変更、移管、脱退、受け取り、今後の変化への対応まで、幅広く取り扱っています。

しかし、通り一遍の確定拠出年金本と違い、一歩踏み込んだ内容となっています。

投資教育の落とし穴や「地雷」商品など、金融機関の巧妙な年金ビジネスへの対処法があったり、十数回の転職経験がある著者らしく、転職・離職に伴う「移管」の全パターンを網羅する図版があったり。特に、「受け取り方」については、詳細な説明がなされており、どのように受け取るのが得か(いつからか、年金か一時金か等)、徹底的に解説されています。

随所に辛口の山崎節が発揮されており、個人側にとってはありがたい、金融機関にとっては厳しい内容となっています。著者も心得たもので、「金融機関は、本書を決して確定拠出年金教育のテキストとして使うまい(使ったら立派だ!)」と書いています。

読者の所得や退職金額など、個々人が置かれた環境によって合理的な方法が異なり、歯に衣着せぬ主張が売りの著者をもってしても、いつもの投資本よりは説明に苦慮している部分もあるように思いますが、考慮すべき要素と考え方をしっかりと整理してくれているので、自分の場合はどうなのかを考える手助けになります。

本書をおすすめしたいのは、確定拠出年金の対象者です。先月、5月24日に確定拠出年金法改正案が成立し、確定拠出年金の対象者が、公務員や専業主婦等にも拡大されることが決まりました。本書の対象者も拡大したことになります。

本書を片手に、複雑な確定拠出年金制度をこっちから賢く使い倒してやりましょう。






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