「分配金の極力抑制」を分配方針とした複利効果優先の投信が登場

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投信において分配金は、例外なく運用資産の取り崩しでしかないことは、当ブログでは何度も取り上げています。

分配金はすべて運用益だという誤解が多いようで、いまだに、多い方がありがたがられるという分配金ですが、ここへきてようやく「分配金の極力抑制」を分配方針とした複利効果優先の投信が出てきました。

足し算より掛け算 投信、複利効果がパワー発揮 |マネー研究所|NIKKEI STYLE


上記記事でも、「分配金目当てで毎月分配型ファンドを購入する際には、複利効果をあきらめることで投資効率が分配金なしに比べて大きく見劣りしかねないというデメリットを十分に理解しておく必要がある」と指摘しています。データを用いて、毎月分配型投信のデメリットを解説しています。

ただ、上記 NIKKEI STYLE の記事の個人的な見どころはそこではなく、後半部分です。

 実は設定以降、これまでに分配金を全く出していないファンドは多い。しかし、目論見書の分配方針で「一切分配しない」と明記しているファンドはまだ1本もない。

 こうした中、三井住友アセットマネジメントは「アジア好利回りリート・ファンド(年1回決算型)」を設定。NISAやDC向けの年1回決算型のファンドを主体にして、一歩踏み込んだ「分配金の極力抑制」を分配方針として打ち出し始めた。同ファンドの目論見書の分配方針には「複利効果による信託財産の成長を優先するため、収益分配を極力抑制します」と明記。運用会社自身が「複利効果優先」の投信もあるというメッセージを発信し始めた。

(足し算より掛け算 投信、複利効果がパワー発揮 |マネー研究所|NIKKEI STYLE より引用)


たしかに、インデックスファンドでも、分配金を出さないものはありますが、目論見書に「分配金の極力抑制」を分配方針として打ち出しているものは見たことがありません。

今までも投信ブロガーの間で何度か話題になりましたが、投信が完全に無分配だと、バイ&ホールドする長期投資家からはまったく税金が取れないことになるので、税務当局から運用会社に、適度に分配金を出すようにプレッシャーがかけられているという噂話が流れていました。(真偽の程は不明)

しかし、ここへきて三井住友アセットマネジメントが、「分配金の極力抑制」を分配方針として打ち出す投信を設定し始めました。資産形成のために投信に投資する投資家にとっては、課税や投資額減少による複利効果の毀損が避けられるので、ありがたい分配方針です。

同社の「フィデューシャリー・デューティー宣言」のアクションプランの中に「お客さまにわかりやすい『分配に関する基本方針』を策定し、見直しを行ってまいります」というのがあり、これを現実化させたもののようです。

調べたら、プレスリリースも出ていました。

三井住友アセットマネジメント
2016年04月25日 「分配に関する基本方針」の公表について

今まで、投信業界では、分配金に関する投資家側の不勉強や誤解に乗っかる形で、元本を取り崩してまで高い分配金利回りを固定する毎月分配型ファンドがたくさん生み出されてきました。たしかに多くの分配金が支払われましたが、まったく同じ分だけ、基準価額が下がりました。悲しいことですが、そのことに気づいてすらいない投資家が高齢者を中心に多いと思います。

分配金について誤解のないようにわかりやすく説明するとともに、値上がり益を現金で受け取りたいニーズ(個人的には、自分の好きなときに好きな分だけ売却すればいいだけだと思いますが…)や、複利効果を優先し分配を抑制してほしいニーズに向けて、分配方針として予め目論見書に明記することは、とても良いことです。

謎の業界の慣習を守るのではなく、このように真に投資家のためになるような改定がなされるのであれば、最近公表する金融機関が増えてきた「フィデューシャリー・デューティー宣言」も、意味があるものになると思います。

なお、蛇足ではありますが、上記 NIKKEI STYLE の記事で「分配金の極力抑制」を分配方針として打ち出したとして取り上げられている投信は、高コストなファンド・オブ・ファンズであり、まったくおすすめできるものではないことを付記しておきます。

今後、「分配金の極力抑制」の分配方針が、低コストなインデックスファンドへ展開されることを期待したいです。


<特に関連が深い過去記事>

分配金を出さないインデックスファンドには複利効果がないのでは? - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)

毎月分配型投信の分配金の82%が、単に自分のお金の払い戻しという茶番 - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)


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