下がり続ける相場でも冷静だったインデックス投資ナイト2016のお客さんたち
水瀬ケンイチ

Brexit(ブレグジット)の影響もあって下げ相場が続くなか、先週末に開催された「インデックス投資ナイト2016」。有識者座談会のテーマも「下がり続ける相場で僕達はどう対応すればいいだろう」でした。
ところが、会場に詰めかけたお客さんたちは、意外にも、皆さん冷静で前向きだったようです。
イベント会場には、あらかじめテーブルに質問票を並べていました。書くかどうかは自由ですが座談会にてステージ上で取り上げられる可能性がありますよ、という話を開演前にしてもらいました。
たちまち数十枚の質問票が寄せられ、登壇者の司会者にすぐに共有されました。私も質問内容を確認しました。
正直、こんな相場で、こんなテーマなので、「いったいいつまで下がるのか?」とか「大きな損が出てしまったが、どうすればよいのか?」といった損失に関するネガティブな質問がたくさん寄せられるのではないかと予想していました。
しかし寄せられたのは、予想に反して、インデックス投資の方法を追求する質問や金融知識に関する質問がほとんどで、損したからどうしてくれるんだ的な質問はほぼ皆無でした。
実際は以下のような内容の質問が寄せられていました(一部うろ覚えで申し訳ありません)。
「コストに納得できればバランスファンドでもよいのではないか?」
「AIについてどう考えるか?」
「専業主婦でも個人型DCを使った方がよいか?」
「スマートベータについてどう考えるか?」
「学校で30秒だけお金の話をできるとしたら何を伝えるか?」
「マイナス金利下では債券ファンドと債券そのものとどちらがよいか?」
「経済が良い国と悪い国が二極化するような場合はアクティブファンドもよいのではないか?」
「貸株サービスを利用する際の注意点は?」
「過去の特定期間の実績をもとにしたファンドアワードに意味はあるのか?」 等々
他にもありましたが、全部は紹介しきれません。いずれにしても、目先の損得で大騒ぎするお客さんがほぼ皆無だったことに、驚くとともに、皆さんよく勉強されているなぁと感心してしまいました。
もちろん、投資未経験の初心者さんも少しは来られていたはずなので、彼らはなかなか質問自体しないだろうということを割り引く必要はあると思います。
ただ、総じて皆さん冷静で前向き、長期的に物事を見ている印象を受けました。
私たちイベントの実行委員側は、ふだんインデックス投資家の間であまり話題にならない相場変動を「たまにはあえてテーマにしてみよう」と企画しました。
でも終わってみれば、逆にお客さん側から「相場変動では一喜一憂しないよ」とあらためて教えられたような気がしました。
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