米国バンガード訪問レポート(その3) バンガードで個人アドバイスサービスが伸びている?

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前回までの記事「米国バンガード訪問レポート(その1)」「米国バンガード訪問レポート(その2)」の続きです。今回はバンガードで個人アドバイスサービスが伸びているという話です。

バンガードといえば、徹底的なコスト低減による低コストファンドの運用会社というイメージが強いですが、バンガード・リテール・インベスター・グループのヘッド Frank Kolimago 氏に話を聞くと、近年はファンドの提供だけでなく、個人向けのアドバイスサービスにもニーズがあり、伸びてきているといいます。

バンガードでは個人向けのアドバイスサービスを、“Personal Advisor Services”、通称「PAS」と呼んでいます。

PASの内容は顧客に合わせて多岐にわたっていますが、テクノロジーを使ったポートフォリオ分析やいわゆるロボアドバイス等と、人間のファイナンシャルアドバイザーのアドバイスとの、ハイブリッドなサービスとなっています。

ファイナンシャルアドバイザーとの相談はビデオ会議(スカイプのようなもの)で行われ、投資だけでなく年金、社会保障、節税などについても相談できるとのこと。

50,000ドル以上の資産を保有する顧客がPASを利用することができ、それにかかるコストは 30bps、つまり年率 0.3% です。

これは個人向けアドバイスサービスの業界平均コストの1/3程度のコストだということですが、それでも私は当初、年率 0.1%台の“超”低コストファンドに慣れているバンガードの顧客は、これを高いと見るのではないかと思いました。

しかし、バンガードが顧客を調査すると、顧客の2/3はアドバイスは魅力的だと回答し、顧客の1/4は有料でもアドバイスがほしいと回答。バンガード側も当初は低コストで質素な投資をする顧客が多いだろうと考えていたところ、有料アドバイスにも根強いニーズがあることがわかったそうです。

実際に、PAS利用者の43%が65歳以上のリタイア世代、41%が50~65歳、それ以下は16%となっており、高齢者層に利用されています。特に、IRAs、401k、公的年金、課税口座などたくさん種類がある口座のどこからどれだけ取り崩せばよいか、節税できるか知りたいというニーズがあるとのこと。

バンガードの顧客は、資産運用は徹底的に低コストで済ませて効率的に増やし、増やした資産は個人ごとの環境をふまえた有料アドバイスで節税しながら引き出し、有効に使うという考え方なのかなと感じました。

これは、日本もそうかもしれません。日本でも昔ながらの公的年金に加えて、企業型DC、個人型DC、NISAなど(ふるさと納税を入れてもいいかも)様々な制度ができてきており、お金まわりの複雑さは増すばかりです。

個人型DCひとつとってみても、受け取り方しだいでは余計な税金を払うことにもなりかねず、お金の取り崩し方をうまくやるためには有料でもアドバイスがほしいという高齢者層は存在する気がします。

日本でもこのようなアドバイスサービスが低コストで提供されたら、利用したいと考える投資家はかなりいるのではないかと思いました。

私はどうするかと考えると……複雑でも自分でなんとか調べて、自前の取り崩し方でやるかもしれません。気になる運用会社には海外まで駆けつけてあれこれ質問してしまうマニアですから。

(次回に続く)


<本シリーズ記事>
米国バンガード訪問レポート(その1) バンガードの低コストなインデックスファンドはどのような環境で生み出されているのか
米国バンガード訪問レポート(その2) バンガードの低コスト運用の秘密に直接迫る
米国バンガード訪問レポート(その3) バンガードで個人アドバイスサービスが伸びている?
米国バンガード訪問レポート(その4) 全米からインデックス投資家が集まるイベントに参加して考えたこと

<ご参考1> 米国バンガード社 公式WEBサイト
Vanguard: Helping you reach your investing goals | Vanguard

<ご参考2> 米国バンガード社のETFが以下のネット証券で買えます。会社名をクリックで口座開設できます(無料)
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