為替ヘッジ付き米国債もマイナス利回り。為替ヘッジも万能ではない

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日本国債の利回りがマイナスになったということで、ポートフォリオの債券クラスは、為替ヘッジ付き米国債にしようという機運が一部にありましたが、それもマイナスになっているそうです。

たしかに、数年前には、為替ヘッジ付きの外国債券が有利な状況がありました。

いま、「為替ヘッジあり」の外債ファンドが儲かる!? - 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)

上記ブログ記事は2012年の当ブログものです。内容は、高金利の外債を為替ヘッジするとヘッジコストで日本債券との金利差が相殺されてしまい、金利差を狙いに投資する場合には意味がないと言われているが、日米の金利差がほぼゼロなので為替ヘッジしても金利差が残る状況だ、という内容でした。

そう言われると、為替ヘッジ付き米国債インデックスファンドがほしくなりますが、当時は個人投資家が低コストで、為替ヘッジ付き米国債インデックスファンドに投資することはできませんでした。

時は数年経ち、2016年現在、「SMT グローバル債券インデックス・オープン(為替ヘッジあり)」や「Funds-i 外国債券・為替ヘッジ型」など、そこそこ低コストな為替ヘッジ付きの外国債券インデックスファンドが出てきました。

これらに投資すれば、日本債券のマイナス金利もなんのその……となればよかったのですが、実際はそうなってはくれていないようです。

今度はヘッジコストの上昇により、為替ヘッジ付き米国債も、5年債、10年債ともマイナスの利回りになってしまっています。しかも、ヘッジコスト上昇の理由は、一般的に説明されている内外金利差の要因だけではなく、別の要因もあるというのです。

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なぜヘッジコストが上昇しているのであろうか。為替変動リスクのヘッジコストは、先物為替レートと直物為替レートの差分で計算されるが、その変動要因は図表2で示したように内外金利差(銀行間の資金取引に関する金利の差分:3ヶ月円LIBORから3ヶ月米ドルLIBORを引いたもの)による要因とそれ以外の要因に分解できる。それ以外の要因は、米ドル資金を調達する際に利用される通貨スワップ市場や為替スワップ市場の環境により決定される。

(出典:ヘッジ付き米国債利回りが一時マイナスに-為替変動リスクのヘッジコスト上昇とその理由 | ニッセイ基礎研究所


上記ニッセイ基礎研のレポートのグラフ(図表2)を見ると、ヘッジコストが2種類に分けられています。緑色の「内外金利差の要因」とオレンジ色の「内外金利差以外の要因」の2種類です。

最近、日本のマイナス金利によって内外金利差が拡大して「内外金利差の要因」が大きくなってきたのはまだわかります。でも、「内外金利差以外の要因」とやらもドンドン大きくなってきています。「内外金利差以外の要因」って何だ???

レポートでは、「米国短期資金市場における金融引き締め予想に起因して米ドル資金の提供サイドのストレスが高まったことで、通貨スワップ市場や為替スワップ市場にもその影響が伝播し、内外金利差の拡大だけではなく追加的なコストとしても上乗せされるようになったものと考えられる」と書かれていました。

なるほどよくわからん。

レポートでは、米国における大手金融機関に対するレバレッジ比率の規制や、米国におけるMMF規制の影響など、米国の要因っぽい理由が書かれています。

一方で、金融機関勤務の友人からは、日本銀行の非伝統的金融政策によって、円にかつてのジャパン・プレミアムみたいな上乗せコストが付いてきているという日本の要因っぽい話も聞いています。

なるほどよくわからん。

為替ヘッジコストは、信託報酬のように運用会社に払う手数料への上乗せ手数料だという誤解はしていないつもりです。しかし、一般的に説明されている「内外金利差の要因」だけでなく、「内外金利差以外の要因」(しかも複数の要因)もあって、しかもそれが大きいのだとすれば、もう自分の理解の範疇を超えます。

「よくわからないものには投資しない」という投資の原則にたちかえりたいと思います。

ポートフォリオの値動きのクッションになってもらうべき債券クラスについては、もっとシンプルに考えたいです。

たくさんの変動要因があって、利回りがプラスにもマイナスにもなり理解が難しい為替ヘッジ付きの外国債券ではなく、最低金利保証(年0.05%)がある「個人向け国債」、それも将来の金利上昇にもある程度追随できる「変動10」でいいやと改めて思いました。


※言わずもがなですが、投資判断は自己責任でお願いいたします。

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