松井証券の投信事業再参入が予想外にインデックス投資家向けだった

水瀬ケンイチ

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松井証券が投信事業に再参入するという発表をしましたが、これが予想外にインデックス投資家向けでした。



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当初、プレスリリースにロボアドバイザーが全面に出ていたので「またか」という第一印象でしたが、投信ラインナップが予想以上にインデックス投資家向けで驚きました。というか、インデックスファンドしか取り扱っていません。

昨秋の「投信コスト革命」で華々しく登場した三井住友DCシリーズ、たわらノーロードシリーズ、ニッセイ購入・換金手数料なしシリーズに加えて、従来のSMTインデックスシリーズ、eMAXISシリーズ、インデックスeシリーズ、i-mizuhoシリーズで、インデックス投資家にとって最低限必要な資産クラスはすべてそろっていると言って過言ではないラインナップ。

各インデックスファンドシリーズを組み合わせたバランスファンドは見当たりませんが、自分で資産配分(アセット・アロケーション)を決めたいインデックス投資家にとっては、松井証券が、SBI証券や楽天証券にほぼ追いついたと言えるのではないでしょうか。

ただ、投信検索メニューに、「分配金利回り」検索がでかでかとあるなど、金融庁からにらまれそうな「昔の株屋」的発想もちらほら見え隠れしているようにも思います。

当初の低コストなインデックスファンドのみの品揃えで口座開設者を集めた後に、しばらくしてから、「多様なニーズにお応えして」云々で、3階建てや4階建ての高コスト毎月分配型投信がぶっ込まれないことを祈ります。

「良さそうなことを始めたのに評価厳しすぎない?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、松井証券はかつて一度、投信事業から撤退しています。

やむにやまれぬ理由があったにせよ、それでも私は、投信事業は個人投資家のライフプランを支える「人生のインフラ事業」であると考えています。インフラですから、何十年にもわたって永続してもらわなければ困ります。はじめた投信事業を一度放り出しているという事実は、人生のインフラ事業者たりえない無責任な行為だったと考えます。

かつて、私自身が、金融機関都合のインデックスファンドの取扱廃止や繰上償還により、散々煮え湯を飲まされてきたいち個人投資家でもあるので、投信事業に出たり入ったりする会社には警戒心を持ってしまいます。

かつての野村ファンドネット証券やジョインベスト証券しかり、日興の投信スーパーセンターしかり、当時の投信事業撤退により泣かされた投資家たちは、今でも相応の思いを持っているものです。

もちろん、過去ばかり見ていても仕方ありませんし、できれば未来に目を向けたい。

今回の松井証券の投信ラインナップは素晴らしいですし、ロボアドも無料というのは新しいです。これからの取り組みで、評価はいくらでも挽回はできると思いますので、松井証券には頑張ってほしいと思います。

かねてより、松井証券は国内株式が、1日の約定代金合計10万円まで売買手数料無料でした。これは、国内ETFの少額積み立てにも向いています。それに加えて、今回の低コスト・インデックスファンド続々ですので、インデックス投資家にとって松井証券の魅力が高まっています。

なにはともあれ、まずは松井証券さんの投信事業再参入のチャレンジにグッジョブ! そして、今度は「ゴーイング・コンサーン」でお願いします!

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Posted by水瀬ケンイチ