ニッセイ外国株式インデックスファンドが一発やらかしたようです

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ニッセイアセットマネジメントが、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの運用でやらかしたようです。

私も投資している「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」ですが、2016年11月15日に臨時レポートを出しています。


ニッセイアセットマネジメント '16.11.15 臨時レポート
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス ベンチマークと運用実績の乖離について



上記レポートによると、ベンチマークと運用実績の乖離が、通常の水準と比較して大きくなったとのこと。今年4月~10月までは毎月±0%~0.03%程度の差異であるところ、11月は▲0.21%でガクンと下回っています。

同じベンチマーク(MSCIコクサイ・配当含む)のライバルファンドとあわせて、運用実績をヤフーファイナンスで確認してみます。
青色=ニッセイ外国株式インデックス赤色=外国株式インデックスe緑色=Funds-i 外国株式

直近6ヶ月で見ると、あまり差がわかりませんが……

photo20161117_1.png


直近3ヶ月でみると……んんん!?後半がカラフルに!?

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直近1ヶ月でみると……んんんんんんんん!?

photo20161117_3.png

青色のニッセイ、11/10以降はライバルファンドたちとズレてるじゃん!!

たしかに、いわゆる「投信コスト革命」をリードするニッセイアセットが、臨時レポートを出すレベルの異常な下方乖離のようです。

問題は、なぜこのようなことになったのかという「原因」です。それも、ライバルファンドでは異常な下方乖離が起きていないのに、ニッセイだけに起きた原因です。

上記レポートの原因部分を抜粋します。

一般にインデックスファンドにおいて、ベンチマークと運用実績が乖離する要因としては、主に以下のものが挙げられます。
① ベンチマークとファンドの資産の組入比率の差異
② ファンドの追加設定、解約に伴う組入比率の変動
③ 追加設定、解約時の取得・売却為替と評価為替の差異
④ 投資対象資産の売買に伴う費用

上記のような乖離要因を踏まえ、当ファンドでは大きな資金流入にあたっては、ファンドに与える影響を抑制すべく、前営業日に必要な取引を行うことで乖離を抑制しています。

11月9日(日本時間)はアメリカ大統領選挙の結果を受けて、為替が一旦円高に大きく揺れる局面がありました。

11月10日にマザーファンドに大きな資金流入が見込まれたため、これまでと同様、ベンチマークとの連動率を高めるべく、必要な為替取引を9日にTTMに合わせて実施しました。 しかしながら、米国大統領選挙の開票につれ、大きく円高が進行したことで、TTMが日中に変更されたため、結果としてベンチマークと運用実績の乖離が発生することとなりました。

ニッセイアセットマネジメント '16.11.15 臨時レポート <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス ベンチマークと運用実績の乖離についてより引用



書かれている文章が非常にわかりにくいです。

ぱっと見では、あたかも「大きく円高が進行したことで、TTMが日中に変更されたから乖離した」と読めてしまいます。私もそう思いました。

しかしながら、「大きく円高が進行したことで、TTMが日中に変更されたから」が原因ならば、それはライバルファンドもみな同じ条件であり、全ファンドが一斉に異常な下方乖離になっているはずです。しかし、現実は、上記グラフのようにニッセイだけが異常な下方乖離になっています。

2日間悶々と考えましたが、どうにも理由がわからず、ついに昼休みにニッセイアセットのコールセンターに問い合わせて、原因について確認しました。

オペレーターから詳しい担当者に変わってもらい、話を聞くと、原因はTTMが日中に変更された云々ではないことがわかりました。

原因は①為替の大きな変動、②大口の入金が重なったため、とのこと。

原因①の為替の大きな変動について、たしかに「TTMが日中に変更」されるほど大きなものでした。しかしこれは、他のライバルファンドも同じ条件であり、ニッセイだけが下方乖離する理由にはなりません。つまり、②の大口の入金が、ニッセイ固有の要因ということになります。

担当者いわく、為替の大きな変動により、どの運用会社でもインデックスファンドの運用に悪影響があったはずだが、ニッセイでは大口の入金と重なったことで、それが増幅される結果となってしまった、という話でした。

大口の入金とは、私たち個人投資家の人気が高まったとかそういうレベルではなく、機関投資家からの、ファンドの純資産残高に対して大きな割合を占める大口入金のことを意味しているとのこと。

少し脱線しますが、山崎元氏と私の共著「ほったらかし投資術」(朝日新書)の旧版には、インデックスファンドの現役ファンドマネージャーに登場いただき、いろいろ質問した対談の章があります。(全面改訂版では、ETF運用会社との対談の章に変わっていますのでご注意を)

そのなかで、外国株式のインデックスファンドの場合、株価は申し込みがあった日の終値で、為替レートは翌営業日のTTMが適用されるため、インデックスファンドのファンドマネージャーの一日の仕事の流れとして、朝、出社してからまずやることは、為替の手当てだとファンドマネージャーは述べています。

このように、TTMが出る当日の朝に為替の手当てをするというのが普通なのだと思われます。

ニッセイアセットでは、「大きな資金流入があった場合」は、ファンドに与える影響を抑制すべく、前営業日に必要な為替取引を行うことで乖離を抑制するという運用がされていたことが臨時レポートに書かれていますが、直接の問題ではないと思います。前営業日の為替取引自体は、おそらく為替相場の動き次第で、損することも得することも長い目で見れば五分五分のはずです。

それが、今回の値動きの場合は、たまたま損の方向に出た。そして、その動きが、ファンドの純資産残高に対して大きな割合を占める大口入金により増幅され、ファンド全体の下方乖離としてあらわれた。私はそう理解しました。

これは不可抗力で、仕方のないことなのでしょうか?

インデックスファンドの運用において、ベンチマークとの乖離を防ぐために、相場状況によっては機関投資家による大口の入金は断るという判断をする運用会社があることを私は知っています。ニッセイアセットがそうしなかったことが、結果的に、ベンチマークとの乖離を増幅させてしまった運用の判断ミスだったのではないだろうか。

なお、電話口の担当者にさらにつっこんで確認したところ、今回の▲0.21%という下方乖離を取り戻すための運用は、さらなる乖離リスクがあるため行わないとのこと。今後のベンチマークの動きにできるだけ連動するような運用を、今後も行なう方針とのことでした。ですよねー。

原因についての考察を長々と書いてきました。

とどのつまり、私の評価は(冒頭書いたように)、ニッセイアセットマネジメントが、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの運用で一発やらかしたということだと思います。

ニッセイアセットがインデックスファンドの臨時レポートを出したことに対して、誠実とか感心したという評価をしている投信ブロガーさんもいます。

そうかもしれません。たしかに、インデックスファンドの臨時レポートというのはあまり見たことがありません。情報提供の姿勢としては新しいと思います。

でも、今回の件に限って言えば、姿勢の問題ではなく、ニッセイアセットは米国大統領選にともなう一時的な為替騰落にうまく対応できず、ベンチマークに対して大きな下方乖離が発生し、かつ、それは回復される見込みはないというのが事実であり、運用を失敗したなという評価です。

たかが▲0.21%、されど▲0.21%です。なぜなら、現在、インデックスファンドの運用各社では、ベンチマークからリターンをできるだけ下げないため、信託報酬の年率0.0X%の差(一桁違う)を競う低コスト競争状態にあるからです。その中で、ニッセイアセットはいったい何年分のコスト優位性を失ったのでしょうか。

ただし、インデックスファンドの運用の良し悪しについては、ある一日のスナップショットのデータですべてを判断することはできないと思っています。

なので、定期的に(四半期ごと)同じ条件で比較検討記事を書くことを継続しています(ブログ上部メニュー「ファンド徹底比較」)。今後、1年リターン、3年リターン等にどのくらい悪影響が出てくるのか、出てこないのか。中長期的な影響のレベルを見極めていきたいと思います。

最後に、大変申し上げにくいのですが、ニッセイの臨時レポートの結びの言葉には、「受益者の皆様には、大変ご心配をおかけし、申し訳ございません」とのお詫びがありました。ていねいですよね。でも、私たち受益者が被ったのは「心配」ではなく、本来得られるべきリターンが得られなかったという「損失」です。

そこはニッセイさんも勘違いなされませぬよう、よろしくお願いいたします。


※情報の正確性には最大限配慮しておりますが、筆者個人の考えにつき認識違い等があるかもしれないことを、予めご了承ください。また、投資判断は自己責任でお願いいたします。

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