「つぶやき介入」という気になるキーワード
水瀬ケンイチ

常々ツイッターのタイムラインを眺めているツイッター廃人(予備軍)の自分としては気になる「つぶやき介入」というキーワードを見かけました。
注視すべきはトランプ氏の「つぶやき介入」。同氏はSNSを頻繁に活用し情報発信をしているが、1月の大統領就任までは比較的自由な立場で主張を展開するとみられ、為替市場に牽制球を投じる可能性が考えられる。強い口調でのつぶやき介入も想定されるため、同氏の発言が市場を動かす展開には注意したい。USDが高値更新した際など、USD高という事実が広く一般に共有された時は、特に警戒を強めるべきだろう。そうした観点から(恐らく)最も有名なドルインデックス(DXY)の水準に注目。
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2016/11/29 いつ来ても不思議ではない つぶやき介入:Market Flash
日本でも時々中央銀行による為替市場介入が見られますが、トランプ次期大統領が、SNSを活用した情報発信により為替市場に牽制球を投じる可能性があるというのは、いかにも現代らしく、おもしろいなと思います。
聞くところによると、ツイッターの情報に反応して売買するアルゴリズムもあるとかないとか。
(参考記事)
情報を最速で伝える岡三マンに反応するアルゴリズム、黒田違いでもBloombergを経由してドル円で作動か : 市況かぶ全力2階建
短期的には市場のノイズは常にあり、大小の影響を与えることがあると思います。場合によっては、数年以上の中期にわたってバブルがふくらみ続けることもあります。
でも、長い目で見れば、生まれたバブルはいつか弾けて、市場はゆっくりとしたあるべき成長率へと収れんしていくということは、過去の歴史が教えるところであると思います。
世界中のバブルの歴史のことは、インデックス投資のバイブル「ウォール街のランダム・ウォーカー」(バートン・マルキール著)に詳しく書かれています。17世紀にオランダで起きたチューリップバブルから直近のリーマン・ショックまで、第2章~第4章でたっぷりとページを使って解説してくれています。
たとえば、万有引力の法則を発見したかのニュートンも株で大損したとか、おっさんには記憶に新しい日本の不動産バブルの原因とか、おもしろいエピソードも盛り沢山です。
人の人生はせいぜい数十年と短く、誰しもすぐ目先のことに目がいきがちです。しかし、せっかく人類数千年の歴史があるわけですから、たまには長期の歴史を学ぶというのも一興かと思います。
会社の説教好きのおっさんがよく言う「鳥の目・虫の目・魚の眼」は、投資にも役立つ言葉かもしれません。儲かりそうな情報を血眼で追いかけまくっているうちに、「虫の目だけ」になっていませんか。
ツイッター廃人にこそ、ウォール街のランダム・ウォーカーかもしれません。全511ページもありますが(笑)
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