NISAの複雑怪奇な別枠がさらにショボく
水瀬ケンイチ

夏頃に、検討されていたNISAの長期積立枠の制度が、さらにショボくなるようです。
非課税期間20年で検討されていたはずが、いつの間にか10年と半分になってしまうようです。
非課税期間は10年。上限金額は年間60万円。さらに投資対象は長期の分散投資に適した一定の投資商品に限る。既存のNISA(年間120万円、非課税期間5年)と併用は認めず、どちらかを選ぶことになるとか。
既存のNISAが非課税期間5年で、長期積立枠が10年。期限が10年でよく長期などと言えたものだと思います。
そして、既存のNISA、ジュニアNISAに続く、3種類目のNISAになりますが、複雑怪奇すぎやしませんか。
投信マニアである私でも、それぞれの制度の違いを咄嗟には言えませんし、いわんや、今まで預貯金しかしたことのない投資初心者をや。自分に合ったNISAの制度を選択できるとはとても思えません。
ちょっとずつ違う制度を何種類もつくるのではなく、当ブログで、何度も何度も書いているとおり、既存NISAの非課税期間を恒久化すれば制度は1つで済みます。
積み立てでも一括投資でも、このなかで利用者が好きなようにやればよいです。利用者のニーズは様々なので、いろいろな使い方ができるように、制度はできるだけシンプルな方がよいと思います。
もし、非課税額が大きくなりすぎることを気にするのであれば、非課税総額を制限(総額600万円など)すればよいだけです。
なぜ、毎年の投資額と非課税期間を制限し、その組み合わせをちょこまかいじって種類を増やそうとするのか、理解に苦しみます。
NISA導入の際にお手本とした英国ISAのように、非課税期間が恒久化されるのは、いったいいつのことでしょうか。
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