【先進国株式】低コストインデックスファンド徹底比較 2017年3月末
水瀬ケンイチ

「低コストインデックスファンド徹底比較」シリーズ記事として、先進国株式クラスの主要なインデックスファンドについて、2017年3月末で比較しました。
※当シリーズ記事の説明書きとして、まずは『新シリーズ!「低コストインデックスファンド徹底比較」開始。まずは説明書き』をぜひご覧ください。

先進国株式クラスの対象インデックスは、「MSCI コクサイ・インデックス」です。
「配当込み」インデックス連動では、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」と「たわらノーロード 先進国株式」のコストが頭ひとつ抜きん出て安い水準にあり、相対的に高評価になっています。
ニッセイ外国株式については、昨年のトランプ・ショック時にインデックスから大幅に乖離する運用ミスがありました(該当記事)。今回、2016/11/21決算の運用報告書が更新されて、年間影響を確認することができましたが、年間で均すとインデックスとの差異は -0.20% とそれほど大きな影響は出なかったようです。
ただ、どういうわけかリターンがふるいません。たわらノーロード先進国株式はもちろん、信託報酬が倍くらい高い「外国株式インデックスe」や「SMTグローバル株式インデックス・オープン」などよりも、直近1年のリターンが低くなっています。2016/11/21の決算後の運用で、また何かあったのでしょうか。すこし不思議です。
たわらノーロード先進国株式は、前回の記事(3ヶ月前)でも確認したとおり、設定当初にマザーファンドを未保有であったという理由から、インデックスとの差異が異常に大きく出ています。それもあってか、直近1年のリターンは高めに出ています。
同じような異常値ですが、ニッセイ外国株式の運用ミスによるリターン低下は、レアケースとはいえ条件が重なれば今後も再発する可能性があると思われるのに対して、たわらノーロード先進国株式のインデックスとの差異は、設定当初の単発事象だと思われることから、たわらノーロードの方が少しだけ分が良いかもしれません。
とはいえ、先進国株式クラスのインデックスファンドのなかでは、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」と「たわらノーロード 先進国株式」は、いずれも超・低コストインデックスファンドの言わば“頂上決戦”のようなハイレベルな対決の中での差であり、今後の動向を気にしつつも、相対的には高評価と言ってよいと思います。
「配当除く」インデックス連動のインデックスファンドでは、いままで参考扱いだった「iFree 外国株式インデックス」の第1回決算の運用報告書も確認できました。
信託報酬は年率 0.21% と超・低コストですが、実質コストは年率 0.29% と意外と高く出ています。もっとも、この第1回決算は設定から3ヶ月程度しか経過していない時点のものなので、次回の決算で、まるまる1年を含んだ実質コストがどうなるかは注目しておきたいと思います。
なお、「配当除く」インデックス連動のインデックスファンドは、実際には原資産である先進国企業からの配当が出てくるため、インデックスとの差異がプラス方向に大きく出るのが当たり前です。ですので、インデックスとの差異のプラスの多寡で、配当込みインデックス連動ファンドとの優劣は評価できません。
上記の表のインデックスファンドはいずれも決算日が異なる(=評価期間が異なる)ため、きっちりとした横並び比較はできませんが、表の右側の1年リターンと3年リターンは、2017年3月末時点での同じ評価期間ですので比較の参考にしてみてください。ただし、リターンは複数要因が複雑に影響し合った結果なので、相対的な優劣が今後も固定されているわけではないことにはご注意を。
他のアセットクラスも含め、当ブログの「低コストインデックスファンド徹底比較」カテゴリで、定期的に更新記事を書いておりますので、インデックスファンド選びの参考にしていただけたらと思います。
※言わずもがなですが、投資判断は自己責任でお願いいたします。
<ご参考>
上記の高評価インデックスファンドは、以下のネット証券で購入できます。会社名をクリックで口座開設できます(無料)
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