ガリガリ君が2回連続で当たって考えた投資に必要なこと
水瀬ケンイチ

(画像は赤城乳業公式WEBサイトより)
どうでもいい話ですが、先月6月、セブンイレブンのくじで、皆さんご存知のアイス「ガリガリ君」がもらえました。
このくじ自体はセブンイレブンさんがやってる企画で、700円以上お買いげの方が1回引けるくじで、引けばいつも何かしら当たるっていうかもらえる感じです。本日も「生茶」が1本もらえました。
それよりも、もらったガリガリ君を6月3日の夜に食べたら、なんと木の棒に「当たり」と書いてありました。
その時の驚きのツイートがこれ。(べつの記事でも引用してた気がしますが)
先日セブンイレブンの何かのクジで当たったガリガリ君が、更に当たった!!なにこれ?わたし死ぬの? pic.twitter.com/PUEWEbYXBY
— 水瀬ケンイチ (@minasek) 2017年6月3日
しかし、当たり棒は買ったお店でしかガリガリ君と交換できないのかどうかという疑問がわき、時間がある時に適当に調べとくかと、当たり棒はしばらく室内に放置されてました。
その後、製造元の赤城乳業の公式WEBサイトのFAQにたどり着き、「ガリガリ君を購入された店舗でお早めにご交換ください」と書かれていることを確認したため、買った(700円くじでもらった)セブンイレブンに当たり棒を持っていったところ、快くガリガリ君に交換してもらいました。
さて、ここからさらにとんでもないことが起こります。
昨日7月16日、熱帯夜で暑かったので「そういえば当たったガリガリ君があったな」と食べ始めたところ・・・・・・
ちょ、先日当たったガリガリ君を風呂上がりに食ってたらまた当たったんだけど‼️当たりアイスがまた当たる確率なんて低すぎてどう考えてもおかしいだろ pic.twitter.com/2l7E8seOKZ
— 水瀬ケンイチ (@minasek) 2017年7月16日
まさかの2回連続当たり棒が、ガリガリ君の中から出てきたではありませんか!!
そんな確率ってあるでしょうか。さすがにこれは、喜びよりも「恐怖」を感じました。わたし死ぬの?
こわい
— 水瀬ケンイチ (@minasek) 2017年7月16日
しかし、これは現実に起こったことです。まずファクトを整理しよう。
- 1本目のガリガリ君はくじで当たったものだが、これは700円以上の買い物者が引けるセブンイレブン主催の太っ腹企画だから、当たっても別に珍しくもなんともないことから、スルー
- 1本目のガリガリ君を食べたところ出てきた当たり棒は製造元の赤城乳業の当たりなのでラッキー
まずは、ガリガリ君の当たり確率を調べよう。鬼の形相でググりまくったら、あっさり回答らしき情報が。
上記サイトによると、
ガリガリ君は32本入り箱で卸売りされています。 そして、その32本の内訳は「内容量 113ml × 31本 + 当たり分1本」となっているのです。 …つまり、ガリガリ君のアタリの確率は、本当は「31本に1本=3.2%」
とのこと。当たる確率は3.2%なのか。
当たる確率3.2%も相当低いが、2本目も連続で当たる確率を計算すると、3.2% × 3.2% = 0.1024% となるのかな。
0.1024%という発生確率は低い。「超」低いと言ってもいい。しかし、その「超」低い確率の事態が現実に私の目の前で起こった。
1標準偏差の範囲内におさまる確率は 68.26% (おさまらない確率 31.74%)
2標準偏差の範囲内におさまる確率は 95.44% (おさまらない確率 4.56%)
3標準偏差の範囲内におさまる確率は 99.73% (おさまらない確率 0.27%)
4標準偏差の範囲内におさまる確率は 99.99% (おさまらない確率 0.01%)
ですので、3標準偏差でもおさまらず、4標準偏差でようやくおさまるかという発生確率の事態が、起こったことになります。
資産運用の世界でリスクを想定する時、だいたい2標準偏差を見ておけば、めったに起こらないレベルの暴落にも備えられると考えることが多いようですが、それは想定以上の暴落は「起きない」ということではありません。そういえば、2008年のリーマン・ショックの時にも、一時的に2標準偏差を超える暴落が起きましたもんね。
一方で、ガリガリ君も1,000回、10,000回……と買う回数を増やしていけば、当たりの発生確率 0.1024%に向かって収れんしていくはずです。ガリガリ君が10,000回連続で当たることはほぼありません。これは「大数の法則」とよばれる現象です。
大数の法則とは、コイン投げを数多く繰り返すことによって表の出る回数が1/2に近くなど、数多くの試行を重ねることにより事象の出現回数が理論上の値に近づく定理のことをいう。
(コトバンクより)
この一連の出来事から、投資に当てはめて考えたのが以下のこと。
- 発生確率が非常に低いことであっても、起きるときには起きるし、連続して起きることもある。
- ゆえに、投資におけるリスク許容度の範囲も、保守的に見積もるべき。
- しかし、回数を増やしていくと「大数の法則」に従い所定の発生確率に収れんしていく。
- そのためには、市場から退場せずに投資を「継続」することが重要。
2連続で当たったガリガリ君をかじりながら、改めてそんなことを思ったっていう、しょーもない雑談でした!
<おまけ>
起きるときには起きるし、連続で起きることもある。ただし、たくさん数をこなせば、大数の法則に従ってあるべき姿に落ち着いていくでしょう
— 水瀬ケンイチ (@minasek) 2017年7月16日
だからこそ、市場から退場せずに「継続」することが重要なのです。うん、良いこと言ったのでもう寝るわ
— 水瀬ケンイチ (@minasek) 2017年7月16日
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