金融庁による第4回「個人投資家との意見交換会」はしびれる販売会社編。参加レポートと感じたこと

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第4回目となる「金融庁 個人投資家との意見交換会」に参加してきました。

今回は、2018年1月からはじまる「つみたてNISA」に関して、証券会社・銀行といった投信販売会社の方々を招いての状況報告と、参加者からの質疑応答という主旨でした。

集まったのは、野村證券、大和証券、ゆうちょ銀行、三井住友銀行、SBI証券、今村証券、静岡銀行の7社と、客席から飛び入り参加の楽天証券の合計8社でした。


販売会社各社のプレゼン

各社からつみたてNISAの対応状況について簡単なプレゼンがありました。印象的だった点について、いくつかレポートします。

・野村證券(以下Nとする)は、来年1月の制度開始に間に合わないものがあり、段階的に対応予定
・大和証券(以下Dとする)は、「るいとう」の対象とすることでETFもつみたてNISA対応
・ゆうちょ銀行(以下Yとする)は、わかりやすいラインナップと郵便局での投資教育に注力
・三井住友銀行(以下Mとする)は、わかりやすい読本を作って投資家教育予定
・SBI証券(以下SBとする)は、すべての対象商品に対応予定
・今村証券(以下Iとする)は、独自システム投資が厳しいが採算顧みず対応
・静岡銀行(以下SZとする)は、県民の金融リテラシー向上に注力
・楽天証券(以下Rとする)は、すべての対象商品に対応予定、楽天スーパーポイントで投信購入可能へ


参加者からの質問と販売会社の回答

その後、40人くらい(もっと?)いた参加者からの質問タイムでした。印象的だった点について、いくつかレポートします。

<質問> 金融庁の対象条件は幅があるが信託報酬0.2%程度の商品を取り揃えるか?

N:その程度
D:同様
Y:できるだけ低く
M:同様
I:付き合いがある運用会社から
SZ:いろいろなものを

<質問> つみたてNISAについて社内でポジティブな勢力の割合は?

N:100%
D:ネガティブいない
Y:100%
M:100%
SB:当然100%
I:全体的にはポジティブも、なかには後ろ向きな者もいる
SZ:100%
R:120%

<質問> Mの読本で、取り扱うことが不親切なアクティブファンドの説明をどうするつもりか?

M:商品選定はインデックスファンド中心になる予定だが未定

<質問> 楽天スーパーポイントによる投信購入はつみたてNISAも対象か?

R:はい

<質問> 郵便局で個人向け国債を買いにいったら別室に通され生保の勧誘を受けた。つみたてNISA取り扱い後、窓口では高コスト商品ではなく、自制心をもってつみたてNISAを紹介できるのか?

N:現行NISAにおいてもつみたてを推奨している。ただコンサルしてみないとどの商品が適切かわからない
D:お客様のためになるコンサルティングが対面証券の生きる道
Y:不快な思いをさせて申し訳ない。投信と生保は一般とカウンターを分けているので投信取り扱い店舗ではそのようなことはないと信じている
M:社内のコンサル教育を徹底する。ニーズに応じてお金の色分けを推奨
I:選んでいただけるよう訴えかけるしかない
SZ:平成24年から投信つみたてをやっており、社員は教育済みで既存NISAも稼働率85%

<質問> 商品ラインナップで差が出ない以上、どのようなキラーコンテンツがあるか?

N:コンサル。CMの「それ野村に聞いてみよう」のとおり
D:わかりやすいWEBサイト画面とプロモーション
Y:まったく投資をやったことがないたくさんのお客さんへの対面説明
M:すべてのお客様への声がけ
SB:つみたてアプリ、毎日つみたて、ロボアド、初心者向けコンテンツ
I:制度周知
SZ:従業員の販売力
R:ポイントで買える、スマホのUI、継続中のポートフォリオ確認画面

<質問> 対象商品の信託報酬の条件に大きな幅があるが、業界から条件を緩和するように陳情があったのか?

金融庁: 有識者の意見とデータを集めて決めた。個社からの陳情はない

<質問> 現在、高齢者に対して銀行は外貨建て生保をすすめている事実があるが、つみたてNISAの方が良いはず。銀行内はどう考えているのか?

M:お客様の思いを聞いた上で、相続で残したい場合は生保へ。75歳以上のかたは即日契約はさせず、後日相続人とともに契約してもらうルールにしている。

<質問> つみたてNISAと現行NISAのどちらが良いと考えているか?

つみたてNISA 6社
現行NISA 0社
どちらとも言えない 2社

<質問> 以前金融機関で働いていたが、つみたてNISAをすすめることで会社の収益が減るはず。営業マンがそれを補おうとする動機づけが働きかねないが、何年くらいかけてどのように回収していく考えか?

N:40万円×20年で800万円になるがそれで終わらず、将来のコンサルによる本当のニーズを見込む。なかには毎月1000万円つみたてはじめる人もいる
D:顧客に高齢者が多く今後厳しいので、それ以外の層にも対面の様々なサービスを使ってもらいたい
Y:良くも悪くも、窓口社員を収益で評価する評価体系になっていないので、あまり心配していない
M:窓口はすべてつみたてNISA、外回りで収益を
I:つみたてNISAについては採算を考えていない。住所変更に手数料を取らないのと同じ
SZ: 少子高齢化のなかでお客様の囲い込みとファン作りを優先する。

<質問> 会社にDCを導入した時に社内から「余計なことをするな」と多くの批判が出た。投資未経験者にどのように説明するのがよいと思うか?

SB:リスクはあるが世界経済は成長していること、分散投資の効果を説明するのが王道ではないか。


ゲストからの総括

<投資信託事情編集長 島田氏>
・販売会社が儲からないのでどこもつみたてNISAをやらないということはなさそうで安心した。
・ネット証券が中心となると思っていたが、対面コンサルでも頑張るというのはありがたい反面、心配でもある。
・目先の収益の帳尻合わせを考えるのではなく、まずは投資家の資産を増やし、リテラシーを高めてから。

<ファンド情報 岡田氏>
・信託報酬年0.5%が高いという話があったが、対象商品条件を決めるWGに携わった者としても若干甘めだと思う。
・ユーザーはコストが安ければ安いだけよいが、提供者がいなければ意味がない。コスト水準が下がって、将来に「あの条件はゆるかったね」と言ってもらえるようになったらいいなと思う。
・最後にひとつだけ確認。野村證券さん、社内はつみたてNISAに100%ポジティブなんですね?(会場笑い)

※メモした内容と記憶にもとづいて書いているので、一語一句再現できているわけではないことを予めご了承ください。


感じたこと。投資家も最低限の投資の基礎くらいは学んでからやろう

金融庁によるつみたてNISAイベントも第4回目にして、あまり乗り気でないとも噂されていた投信販売会社勢が、ついに出て(連れ出されて?)きました。

話を聞くと、やはり各社ともにそれぞれ事情があり、100%ポジティブというのは金融庁を前に「盛っている」回答だと感じました。例えばキラーコンテンツの質問など、参加者からの質問に対する販売会社の回答が回答になっておらず、単に金融庁へのアピールになっているシーンも何度かありました。

また、会社の収益と投資家のリターンとの間の利益相反については、今回は監督省庁の前だから一応協力的な体裁は取っているものの、WEBはともかく、窓口と外販はつみたてNISAをキッカケにその後の大きな取引につなげることを期待しており、「要注意」だと思わされるような言動も見て取れました。

ひらたく言えば、隠そうとしてもあふれ出る「つみたてNISAをまき餌に将来大物釣るぞー!」というやる気満々感を感じました。

一方で、投資家側も、初心者であることを盾に、金融機関のあやうい「良心」に頼り切っているようではあかんと思います。自己責任の投資をするのだから、「長期・分散・低コスト」など、最低限の投資の基礎は学ぼうという姿勢だけでも必要だと思います。

そうしないと、投資を始めることはできても、今後何度もあるであろう市場の暴騰や暴落に心が乱されて、投資を続けることができなくなってしまうでしょう。つみたて投資は、始めるのはカンタンでも、続けるのは難しいものです。

つみたてNISAについては、初心者向けのよい仕組みであることは間違いないと思いますが、最低限のことは自分で勉強してから、営業のないネット証券でやるのが正解だと、あらためて思いました。

自分で勉強するステップをすっ飛ばして、金融機関の窓口で手取り足取り教えてもらいながら始めたいという気持ちも否定はしませんが、その場合も、将来、それ相応の対価を払わされる(高コストな商品を買わされる)可能性があることを、頭の片隅に置いて窓口と付き合うことだけは、最低限必要だなと感じました。

もっとも、金融機関だって商売ですから、商品・サービスを提供して顧客から収益をあげようとするのは当然のことです。投資家は「金融機関は慈善事業ではない」という当たり前のことを再確認ですね。

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